契約書を作るときに大事なことは
一義的に明確な表現になっていること。
あいまいな表現や
複数の解釈が可能な表現
のある契約書だと
後々トラブルや「裁判沙汰」を
招く原因となります。
(今日の「棒人間」 どちらの意味??)
<毎日更新1353日目>
私は常々
このブログで
会社の取引にはなるべく
契約書を作りましょう。
契約書を作っておけば
あとでトラブルや「裁判沙汰」を
予防できますよ
と言っています。
しかし
せっかく契約書を作っても
その書き方によっては
それが新たなトラブルの種に
なることもあるのです。
A社は
B社に対してある仕事を依頼し
業務委託契約を締結しました。
この契約書の中で
B社は
依頼された仕事について
A社に報告書を提出する
ことになっていた。
具体的には
B社が作るべき報告書について
B社は、A社に対し、2025年1月16日までに、本件業務に関する報告書(Word・PPT)を提出するものとする
と書かれていた。
そこで
B社の社長は
A社社長、例の報告書できました。ワードで作成しました。ですから報酬をください。
B社社長、ちょっと待ってください。ワードだけではなくて、パワーポイントの形でも報告書を出してもらわないといけません。
え、契約書では、ワードかパワポのどちらかの形式で良いことになっているじゃないですか。だから私はワードで作ったのです。もしパワーポイントでも報告書を出せということであれば、追加の料金をいただきます。
いえいえ、あの契約書では、ワードとパワーポイント両方の形式で報告書を出すことが決まっているのです。パワーポイントの形式で報告書を出してもらっていないので、契約違反です。報酬は払えません。
なんですって?あなたの方こそ契約違反じゃないですか!訴えてやる!!
いかがでしょう?
契約書は
ただ作れば良い
というものではなく
下手な作り方をすると
そこから新たな
紛争を招くことがある
ということはご理解
いただけましたでしょうか?
契約書を作る上で
重要なポイントが1つあります。
それは
契約書の内容が
という点です。
「一義的」というのは
解釈の余地がなく
明確に1つの意味しかない
というようなイメージですね。
もし契約書の内容の中で
あいまいな用語や
紛らわしい表現が含まれていると
その契約の内容をめぐって
複数の解釈が成り立つ
おそれが出てきます。
そういう場合
たいてい当事者というものは
お互いに自分に都合の
良い方に解釈するものです。
そうすると
将来
その契約の内容をめぐって
当事者間で争いが起きて
最悪は「裁判沙汰」に発展して
しまうおそれが出てきます。
この点
私の弁護士としてのミッションは
というもの。
契約書をめぐるトラブルや
「裁判沙汰」を避けるためには
上記で述べたように
そもそも複数の解釈が成り立つ
ようなあいまいな表現は
使わないに限ります。
冒頭のA社長とB社長の例でも
「ワード・PPT」という
表現のあいまいさが
トラブルの原因になっています。
というのは
「ワード・PPT」という表現では
「ワード and PPT」なのか
それとも「ワード or PPT」なのか
両方の解釈ができてしまいます。
もし「・」が「and」の意味であれば
B社としては
ワードとパワーポイント両方の
形式で報告書を出さなければ
契約違反となってしまいます。
しかし
それが「or」の意味であれば
B社の社長が言うように
ワードかパワーポイントか
どちらかの形式で報告書を
出せば契約を守ったことになる。
つまり
「・」というのは
2つの意味の解釈を
許してしまう表現なので
あまり契約書に用いる
のに適切ではない
と言うことになりますね。
では
どうすれば良いかと言うと
この場合も「ワード・PPT」という
「・」を使うべきではありません。
その代わり
「ワード及びPPT」とするか
あるいは「ワードまたはPPT」
という表現を用いるべきです。
そうすれば
「and」なのか
「or」なのかがはっきりしますので
後で無用な紛争が起こることを
予防することができます。
このように
契約書は
きちんと作られていれば
将来のトラブルや「裁判沙汰」の
予防になります。
しかし
作り方を間違えると
逆にその契約書の解釈をめぐって
新たなトラブルや「裁判沙汰」
の原因にもなってしまうのです。
ですから
契約書を作成するときは
やはりご自身で作るのは避けて
弁護士などの専門家に依頼
した方が安全だと考えます。
◼️「裁判沙汰」を予防する、契約書作成・リーガルチェックサービス
いずれにしても
せっかく契約書を作っても
それがトラブルの予防に役立たない。
むしろ新たなトラブルや
「裁判沙汰」の種になってしまう、
ということは避けたいですよね。
それでは
また。
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Profile
中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。