「裁判沙汰」は面倒です。
「裁判沙汰」の入り口である「訴える」
つまり裁判を起こす手続きだけでも
これだけ大変なのです、
というお話です(^ ^)
(東京地方裁判所前)
<毎日更新566日目>
私は常々、このブログでも、私の弁護士としての使命は、
中小零細企業のトラブルを
と言い続けています。
それには、ちゃんと理由があります。
私も長年弁護士をしていて、それなりに「裁判」を経験
してきました。
その中で、中小零細企業が「裁判沙汰」に巻き込まれ、
その経営者が長期間にわたって、泥沼の紛争に神経をすり減らす姿
を多く目の当たりにしてきました。
「裁判沙汰」に巻き込まれると、
という三重苦が待ち受けています。
ただ、「裁判沙汰」は大変だ、と言っても、具体的に
どんな風に大変なのか?
「裁判」を経験したことのない多くの方にとっては、
あまり具体的にイメージできないかも知れません。
そこで今回は、実際問題として「裁判沙汰」に巻き込まれると、
具体的にどのように面倒なのか、その辺のお話をしたいと思います。
まずもって、「訴える」、すなわち裁判を起こす、
というのもそれほど簡単ではありません。
「裁判」(民事裁判)というものの全体像を図にすると、
ざっとこんな感じ。
まず最初の段階が「訴え提起」なわけですが、
その準備がまずなかなか大変です。
最初に「訴状」という書面を裁判所に出さなければ
なりません。
「訴状」というのは、その裁判で原告が訴える内容
を法律的に記載した書面。
ちなみに、民事裁判では、
と言います。
「被告」と言っても、刑事事件でいう「被告人」とは意味が
違いますので注意が必要です。
で、訴状の内容は、何を請求する裁判かによって内容も
違ってきます。
例えば、貸したお金を返せと請求する貸金返還請求訴訟
の場合は、
などを具体的に書かなければなりません。
また、取引先に対する売掛金の請求訴訟の場合は、
などを記載します。
さらに、それだけではなく、こうした事実を裏付ける
証拠書類も添付しなければなりません。
具体的には、
この他にも、
相手が法人の場合は、会社の登記事項証明書、
不動産がらみの案件は不動産の登記事項証明書や固定資産評価証明書など、
離婚や相続など親族関係の案件は戸籍謄本など、
交通事故の場合は医師の診断書や現場写真、実況見分調書など
いろいろ集めなければなりません。
さらに、請求する金額等の大きさによって、裁判所に印紙も納めなければ
なりません。
例えば、1000万円を請求する場合には5万円の印紙代、
5000万円請求する場合には17万円、
1億円請求する場合には32万円かかります。
こうした諸々の面倒な準備が整って、ようやく
「訴え提起」ができる、というわけです。
しかし、これはまだまだ「裁判」のほんの入り口
に過ぎないのです。
というわけで、
今日のポイントは
ということです。
しかし、本当に面倒くさいのはこれから。
「裁判」を起こした後がさらにもっともっと
大変なのです。
続きは、長くなりましたのでまた明日!
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Profile
中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。