
職場での「パワハラ」がよく問題となっています。
「パワハラ」にまつわるトラブルを予防するためには
そもそも何が「パワハラ」となるのか
会社として「パワハラ」防止にどのようなことが
要求されているかを知っておく必要があります。
(今日の「棒人間」 それ、パワハラです?)
<毎日更新1554日目>
目次
長崎市で
市の消費生活センターの職員に
「パワハラ」があったとして
減給1ヶ月の懲戒処分が
なされたとの報道がありました。
報道によると
この加害者とされた職員は
他の職員に対し
大声でまくしたてる威圧的言動をしたほか
明確な根拠もなく
などと人格を否定する
発言をしたとのことです。
民間企業でも
いろいろな意味で
今社内でのパワハラが
問題となっています。
この点
「労働施策総合推進法」
(通称「パワハラ防止法」)において
職場におけるパワハラを
次のように定義しています。
さらに
この「パワハラ防止法」では
会社側に
パワハラを防止する
ための対策として
次の4つの措置が
義務づけられています。
まず1つ目は
事業主によるパワハラ防止の
社内方針の明確化と
周知・啓発です。
これは
どのような行為がパワハラにあたるのかを
職場で働く全員に研修などで知らせ
パワハラを禁じると
経営者が宣言することです。
さらに
パワハラ行った社員は
厳正に対処すること。
そして
その対処の内容を就業規則に
きちんと盛り込んで
職場で守らなければならないルールであると
すべての社員に周知徹底することが
求められています。
2つ目は
苦情等に対する相談体制の整備です。
これは
パワハラの被害にあった社員が
相談できる相談窓口を設置して
その事実を全社員に周知徹底する
ことが求められます。
3つ目は
被害を受けた労働者への
ケアや再発防止です。
これは
パワハラが発覚したら
事実関係を速やかにかつ正確に把握し
被害者に配慮した措置を講じる
ことが求められます。
そして4つ目は
その他合わせて構ずべき措置
というものです。
これは被害者や加害者の
プライバシー保護するために
必要な措置を講じ
そのことを全従業員に
知らせることです。
さらに
相談したことで
その従業員が解雇などの不利益な扱いを
受けないというルールを定めて
すべての従業員に
周知徹底することが
求められます。
さて
実際に上記の「パワハラ」の法的な定義に則して
具体的にどのような言動が
「パワハラ」に当たるのでしょうか?
まず
明らかにパワハラとなる行為として
殴る、蹴る、物を投げつけるなどの
「身体的な攻撃」があります。
さらに
人格を否定するような罵倒、侮蔑
大勢の前での執拗な叱責などといった
「精神的な攻撃」があります。
上記の長崎県の事例でも
大声を出されたり
人格を否定する発言をされたりといった
この「精神的な攻撃」が問題とされています。
さらに
無視したり
仲間外れにしたり
業務上必要な情報共有から意図的に外す
一人部屋に隔離するなどといった
「人間関係からの切り離し」があります。
また
たとえば新入社員には到底一人では
不可能な量の業務を与える
業務と無関係な私用を命じるなど
「過大な要求」。
あるいは
能力や経験に見合わない
明らかに簡単な業務や雑用ばかりをやらせる
まったく仕事を与えないなど
「過小な要求」があります。
これらが
いわば職場で「パワハラ」になり得る
典型的な事例と言えるでしょう。
ただ
世の中には
こうした明確に「パワハラ」
となる事案だけではなく
「パワハラ」になるかどうか
微妙な事案もあります。
当事者の意図や受け止め方によって
「パワハラ」になったり
ならなかったりする事例もあり得ます。
こうした微妙な
「パワハラ」事案に対して
どのような対処を行うべきか。
この辺は
長くなりましたので
また明日お話ししたいと思います。
それでは
また。
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今回は、「弁護士の仕事はたいてい「緊急」?「緊急」案件の4つのパターン」というテーマでお話ししています。
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夏休み父ちゃん弁当日記
メインは鶏の照り焼き、ポテトフライ、ウインナーにミートボール、きゅうりと茗荷の酢の物、にんじんのカレー粉炒め、デザートは桃でした。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
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私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。