
会社の「執行役員」とは
どんな立場の人なのか?
「執行役員」という名称は知ってるけど
実はよく知らないという方も
多いのではないでしょうか?
これを機に
「執行役員」についての理解を
深めてみましょう。
(今日の棒人間 「執行役員」ってなに??)
<毎日更新1578日目>
先日
知り合いのA社長からのご相談。
いや、実はうちの会社のナンバー2の社員を「執行役員」に昇格させようかと思ってね。
なるほど、執行役員にですね。
そう。会社の役員にすりぁあ、ちょっとは自覚も高まるだそうし、それ相応の責任も負ってもらいたいし。
せ、責任と言いますと?
そりゃあ、あれよ、会社役員としての責任よ。取締役とかそんなのと同じような。
・・・・・。
それにさ、従業員と違って役員だから、業績が上がらなければ辞めてもらうこともできるよね?
い、いや、それは・・・(汗)。
給料だって、従業員と違って、業績が悪ければ自由に下げていいんだよね?役員は。
あの〜、A社長・・・。
そもそも「執行役員制度」というのは
1997年にソニーが初めて
日本で導入したそうですね。
「執行役員」というのは
取締役が決定した事業方針に従って
業務を遂行する事業運営の責任者
のことを言います。
今では
多くの上場企業や
ベンチャー企業などでも「執行役員」が
導入されているようです。
しかし
重要なことは
「執行役員」というのは
会社法上の「役員」ではない
ということです。
つまり
「執行役員」というのは
「役員」という名称にもかかわらず
法律上の制度ではなく
あくまで会社が任意で定めている
役職名のことなのです。
他方で
株式会社には
「取締役」「代表取締役」「監査役」
「会計参与」などといった
「役員」の制度があります。
株式会社の運営というものは、
基本的に出資者である
株主が会社の所有者です。
そして
その株主から具体的な会社の経営や
業務執行を委任されたのが
取締役などの会社の「役員」
と言われる人たちです。
取締役などの
会社の役員は
会社との間の契約関係は
「委任契約」ということになります。
この委任契約に基づき
取締役などは
会社経営者としての重い注意義務を負い
会社に対して法的な責任を負っています。
これに対し
上記のとおり「執行役員」は
会社法上の「役員」ではありません。
会社との契約関係も
あくまで「雇用契約」ということになり
この点は一般の社員(従業員)
と変わりません。
ですから
「執行役員」とはいえ
取締役などの会社の「役員」と
同じような会社に対する重い
法的責任は負わないのです。
また
あくまで雇用契約ですから
その解消はすなわち「解雇」となって
これは簡単ではありません。
つまり
取締役などの「役員」とは異なり
「執行役員」を辞めさせようと思っても
そう簡単には簡単には行かない
ということです。
また
「執行役員」の報酬は
あくまで雇用契約に基づくもので
その金額は雇用条件の1つです。
ですから
基本的に会社が一方的に「執行役員」
の報酬を減額することは
これまた簡単ではありません。
この点
会社のナンバー2に「執行役員」に
なってもらって自覚を持ってもらう
というA社長の考えを否定
するわけではありません。
ただし
A社長の思惑どおり
「執行役員」に取締役と同等の
法的責任を負わせたり
業績が悪いからといって簡単に
辞めさせたり
報酬を減額したりすることはできない
ということになります。
ところで
この会社の「役員」ではない
「執行役員」という役職。
いったいこれは何のために
ある役職なのでしょうか?
先ほど
「執行役員」とは
取締役が決定した事業方針に従って
業務を遂行する事業運営の責任者
のことだと説明しました。
これや要するに
取締役との業務の分業化を行うことで
経営の効率化を図る意味が
あると言われています。
つまり
経営の意思決定や監督は
取締役(および代表取締役)が行い
「執行役員」は取締役が決定したその方針の
現場実行を行う立場ということになります。
こうした明確な役割分担を行うことで
会社の組織運営の効率化や
スピード感を高めることに役立つ
とされています。
企業のガバナンスやコンプライアンス
組織健全性への関心と相まって
今や大企業や一部の中小企業で
ニーズがあるとされているようです。
それとともに
この「執行役員」という立場への
関心も多くなっているように感じます。
という方も少なくない
のではないでしょうか?
これを機に
一度「執行役員」についての理解を
深めておかれることをお勧めします。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。