
音声認識AIには日々お世話になっていますが
その進化には驚かされます。
音声認識AIを使って
相手との会話を内緒で記録することは
法的に問題ないのでしょうか?
(今日の「棒人間」 音声認識??)
<毎日更新1611日目>
最近の音声認識AIの進化には
本当に目を見張るものがありますね。
以前から
Gメールの音声認識などを利用して
ブログを書いたりしていました。
ただ
精度は今ひとつでした。
それが
最近の音声認識AIは
誤字や脱字なども自動修正してくれるし
非常に精度が高くなっています。
私が実際に使っている
音声認識AIの1つがAQUA VoiceというAI。
これは音声認識の精度が非常に高く
誤認識がほとんどないのが驚かされます。
もう1つよく使っているのが
無限もじおこしという音声認識AI。
結構長時間の音声認識ができて便利で
議事メモなどでよく使ってます。
そして
こうした音声認識AIを使えば
相手との会話を勝手に
記録できてしまいます。
スマホでこうしたAIの
アプリを入れておけば
いつでもどこでも音声認識で記録可能。
ただ
相手に内緒で勝手に音声認識で
会話を記録した場合
何か法的に問題になる
ことはないのでしょうか?
中小企業の取引では
一々契約書を作らないといった
ことも珍しくありません。
ただ
契約内容が曖昧だと
後々もし取引先との間で何かと
トラブルになりがちです。
そこで
取引相手との交渉の記録などを
コッソリと音声認識AIで記録しておきたい。
この問題は
基本的に「無断録音」の問題と
同様に考えることができます。
この点
会話の内容を相手方に無断で
録音すること自体を禁止する
法律はありません。
したがって
原則として音声認識AIで
無断で会話を記録することも
特に法律で禁止されていません。
ですから
取引相手との交渉の経過などを
相手に無断で音声認識AIで記録することも
特に法的には問題ないと考えて良いでしょう。
次に
そのような無断で行った音声認識AIの記録を
民事裁判の証拠として提出できるかどうか
という問題があります。
これについては
相手の承諾を得ないで行った
秘密録音について裁判例があります。
すなわち
裁判例では
秘密録音が
というような場合には
裁判の証拠とすることが
できないと判断したものがあります。
逆に言えば
このような例外的な場合に
当たらない限り
秘密録音の記録も民事裁判の証拠
とすることができる
とされています。
ですから
音声認識AIの記録を民事裁判の
証拠とできるかどうかも
これと同様に考え
上記の例外的な場合に当たらない限り
可能であると考えることができます。
このように
相手に内緒で音声認識AIで
会話を記録することは
原則として法的に
問題はないと言えます。
ただ
取得した音声認識AIのデータ
などの使い方次第では
違法とされる可能性があります。
すなわち
音声認識のデータなどを
裁判の証拠とする目的以外で
第三者に漏洩・公開した
ような場合です。
具体的には
データをインターネット上に
公開したりする行為です。
このような場合には
名誉毀損やプライバシー侵害で不法行為となり
損害賠償責任が発生する場合があります。
さらに
データには個人情報や機密情報が
含まれる場合もあり得るため
情報漏洩がないように適切に
管理する必要があります。
ただ
そのような点に気をつけておけば
相手に内緒で音声認識AIで会話を
記録することは問題ないと言えるでしょう。
音声認識に限らず
AIの進化は日々進んでいます。
このように
テクノロジーが進化するたびに
法的にOKか、NGか
その境界線が問題となる事例は
出てくるでしょうね。
トラブルを避けるためにも
適切な使い方を心得たいものです。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。