「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【判検交流という奇妙な風習】相手のセコンドが突然審判に?

裁判

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「判検交流」という、裁判官と検察官が互いの仕事

を経験するという人事交流があります。

 

 

これが今、「審判がいきなり相手チームの監督にな

るようなものだ!」、と批判されています。

 

 

 

(親子でなれあいの図@荒川)

 

<毎日更新588日目>

「判検交流」という奇妙なシステム

ボクシング世界チャンピオンの井上尚弥選手による

世界4団体王座統一選が今日開催されます。

 

 

ボクシングの世界タイトルマッチ12ラウンドで、

前半の6ラウンドが終わってから、突然相手選手の

セコンドについていたトレーナーが、審判(ジャッ

ジ)についたらどうなるでしょうか?

 

 

井上選手の場合は、KOの可能性も高いと言われて

いますが、もし12ラウンド終わって判定となった

ら、その相手のセコンドだった人が審判の1人とし

て採点することになります。

 

 

その場合、果たしてフェアな判定が期待できるでし

ょうか?

 

 

そんなバカな!と思われるかも知れませんが、それ

に近いことが裁判の現場で起きていた。

 

 

「判検交流」と呼ばれる、裁判官と検察官が互いの

仕事を経験するために行われる人事交流がかつてあ

りました。

 

 

言うまでもなく、裁判官はジャッジの立場、検察官

は裁判の一方当事者です。

 

 

しかし、裁判官だった人が、検察官の仕事をしたり

するのが「判検交流」です。

 

 

さすがにこの「判検交流」は、公平な裁判ができな

いとの批判を受け、刑事裁判では2012年に廃止

されました。

 

 

しかし、この「判検交流」が民事事件(行政事件)

の分野でまだ残っています。

 

 

先日、東京地裁で行政処分の取り消しなど国や自治

体を被告とする行政訴訟を担当していた裁判長が人

事異動になりました。

 

 

どこに異動したかというと、法務省の中で国が被告

となった場合の訴訟の代理人となる「訟務検事」の

部署。

 

 

いわば、国を被告とする事件のジャッジをする立場

だった人が、人事異動で被告の代理人となる部署に

移ったわけです。

 

 

この人事異動が批判され、国会でも取り上げられて

問題になっています。

 

 

 

 

この人事異動は、いわばサッカーで、

 審判員がハーフタイムの後に相手方(国側)の監督になるようなものだ

などと言われています。

 

 

 

相手のセコンドが審判(ジャッジ)になったらマズい!

そもそも裁判官というのは、裁判の当事者から独立

した立場にいなければなりません。

 

 

そうでなければ、到底公平な裁判など期待できないでしょう。

 

 

昔、社会の時間で「三権分立」という概念を習ったと思います。

 

 

国家権力の暴走を防ぐために、権力を「立法」「行

政」「司法」の3つに分けて、相互に牽制させて抑

制と均衡をはかる、というものです。

 

 

上記の例で、裁判官は司法、検察官は行政(法務省)の立場です。

 

 

しかし、「判検交流」と称して、相互で人事異動な

どが行われてしまえば、司法と行政のなれあいが生

じて、上記の三権分立がないがしろにされてしまいます。

 

三権分立は憲法で定められた重要な原則で、権力の

暴走を防ぎ、民主主義を守るための重要なシステムです。

 

 

このように、「判検交流」が行われると、公平な裁

判ができなくなるだけではなく、三権分立という憲

法上の原則まで壊される危険があるのです。

 

 

私の弁護士としてのスタンスは、中小零細企業のトラブルを

 「裁判しないで解決」すること

 

しかし、やむを得ずに裁判手続を利用せざるを得ないこともあります。

 

 

そんなときに、不公平な裁判をされては困ります。

 

 

裁判の公平さを疑われないためにも、三権分立の原

則を壊さないためにも、司法と行政のなれあいを招

く「判検交流」は見直されるべきですね。

 

 

 

 

 

まとめ

というわけで、

今日のポイントは

 

 裁判の場でセコンドが突然審判になったらマズい!

ということです。

 

 

日本人はとかく「忖度(そんたく)」が好きですが、

権力同士が忖度しあっていては、民主主義国家とは

言えません。

 

 

なれあいを防止し、三権分立をきちんと守るための

システム作りが必要でしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、社員の給料を銀行振込で支払うという場合に、会社が指定する金融機関の口座に振込むことができるか、というテーマでお話しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、午前中はキャンプ場で撤収作業。
その後家族で近くの「つるんつるん温泉」へ。
お風呂の後、名物「勝浦タンタン麺」を食べて帰りました。
帰りの道路はすいていてスムーズでした。
午後は早めに帰れたので、自宅で仕事でした。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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