たった1分の遅刻で
14分ぶんの給料がカットされる。
実はこの給料の「端数切り捨て」
法律的には見過ごせない
問題を含んでいます。

(今日の「棒人間」 14分は切り捨て??)
<毎日更新1798日目>
大手回転寿司チェーンの
「はま寿司」店舗で
社員に対する未払賃金
があったということで
労働基準監督署から是正勧告を
受けたとの報道がありました。
はま寿司に是正勧告、遅刻時の「15分単位」計算で賃金未払い 過去3年分を清算へ
報道によれば
はま寿司のある店舗で
社員が所定の出勤時間に
遅刻した際の勤怠管理が
システム上「1分単位」で
計算されていなかったとのこと。
たとえば
午後6時出勤の社員が1分遅れて
午後6時1分にタイムカードを
押した場合でも
「午後6時15分出勤」として
扱われてしまっていたそうです。
つまり
15分単位で労働時間を計算しており
15分未満は切り捨てる扱いをしていました。
そこで
1回の遅刻で1分から14分の賃金が
未払いになっていたとのことです。
はま寿司では
2025年12月から
全店舗で遅刻時の賃金計算を
1分単位に改めた上
過去3年分にさかのぼって未払賃金の
確認及び支払いを行う予定と
公表しているようです。
この労働時間の端数を
切り捨てて計算するというのは
これまでも時々労働トラブルの
1つとして取り上げられていました。
つまり
数分単位のわずかな労働時間について
端数として切り捨てて労働時間を
計算する運用がなされることがあります。
上記の例で言えば
午後6時1分から勤務を開始したのに
午後6時15分から勤務開始と
記録されるので
14分は端数として
切り捨てられてしまう。
要するに
この14分はいわゆる「サービス残業」
という扱いになるわけです。
これはもちろん
法律的にはアウトです。
すなわち
労働基準法という法律で
社員の給料は
社員に直接全額を支払わなければ
ならないと定められています。
たとえ1分2分といった
わずかな時間であっても
端数として切り捨てて
労働時間にカウントしない
などということは許されません。
大手の会社で
いまだにこういった違法な運用が
なされていたというのは驚きですね。
さて
もしこういった労働時間の
「端数切り捨て」の運用を
行なっていた場合のリスクです。
この場合
社員が違法なサービス残業ということで
労働基準監督署に申告を行えば
労基署が入り
上記のはま寿司のように是正勧告が
なされるリスクがあります。
それだけではなく
社員としては
これまで端数として切り捨て
られていた労働時間分の給料を
未払賃金として会社に対して
請求できることになります。
未払賃金請求権の時効は
3年とされていますので
過去3年分にさかのぼって未払いの分を
請求できるということになります。
たかが端数のわずかな
労働時間分の賃金とはいえ
過去にさかのぼればそれなりの
金額になることもあります。
今の時代は
社員もAIなどを利用して
相当程度の労働法の知識を
身につけることができます。
もしこうした「端数」の労働時間を
切り捨てる運用をされている場合には
早急に是正する必要があるでしょう。
社員とのトラブルや
「裁判沙汰」を予防するためにも
一度社員の労働時間の計算方法を
確認してみることをお勧めします。
それでは
また。
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