業務の中でAIを利用すること自体は
もはや特別なことではありません。
むしろ今後は
多くの専門家が業務の中で
AIを使う時代になるでしょう。
しかし
同じことをしていても
伝え方ひとつでお客様の
安心感は大きく変わるものです。

(今日の「棒人間」 言ってはならぬひと言??)
<毎日更新1874日目>
先日私自身が直接聞いた
リアルなお話を1つ。
その方は
ある事情があって
裁判の案件をとある弁護士
(私じゃないよ^ ^)に依頼しました。
実際に裁判が始まって
基本的にその弁護士からは
メールで業務の報告を受けていました。
固い話になりますが
弁護士の職務基本規程というものがありまして
そこには下記のとおり弁護士が受任した
案件の経過等について依頼者に報告する
義務が定められています。
弁護士職務基本規程36条
弁護士は、必要に応じ、依頼者に対して、事件の経過及び事件の帰趨に影響を及ぼす事項を報告し、依頼者と 協議しながら事件の処理を進めなければならない。
ま
それはある意味当然のことでして
それは良いのですが
その方がその弁護士から受けたメールの中に
裁判所に提出が必要な主張書面について
という報告があったとか。
それを聞いた私は
ちょっと唖然としました。
と言うのが率直な感想で
その弁護士の報告にとても
大きな「違和感」を感じました。
そのとき感じた「違和感」の
正体はなんだったのか?
ちょっと深堀りしてみたいと思います。
まず1つ目の違和感は
「対価」への違和感です。
弁護士に案件を依頼するということは
当然弁護士費用を払っているわけです。
この弁護士費用というのは
当然その弁護士の専門知識と経験
に基づく「人による検討」への対価
という前提があります。
しかし
書面を「AIに書かせています」と言われると
果たしてその支払ってる弁護士費用は
「AIの利用料なのか
弁護士の仕事への対価なのか」
という部分に疑問が生じます。
例えとして適切かどうかわかりませんが
タクシー料金を払ったのに
タクシーは自動運転で
運転中は運転手は居眠りをしていたとか
それに近い感覚かも知れません。
もう1つは「責任の所在」への違和感です。
万が一その書面の内容にミスがあった場合
それは「弁護士のミス」なのか
「AIのミスなのか」
依頼者からしてみると
弁護士が作成する書面は
生身の弁護士がきちんと一字一句
検討した上での書面だと思っています。
それなのに
書面をAIに書かせているという報告を受けると
「本当に中身をちゃんとチェックしているのか」
という不安を感じます。
もう1つは
弁護士の守秘義務や情報管理への違和感です。
弁護士法の23条では
と定められていて
弁護士は依頼されている案件などについて
秘密を漏らしてはならないという
「守秘義務」を負っています。
しかし
裁判の主張書面をAIに書かせるということは
依頼者の案件の詳細情報などを外部の
AIサービスに入力しているのではないか。
その場合の情報管理などはどうなっているのか
という疑念を持たれることになります。
とまぁ
違和感はいろいろあるのですが
要はどう伝えるか
コミュニケーションの問題
なのではないかと思います。
今の時代
当然多くの弁護士も業務に
AIを利用しています。
私も
さすがに裁判の書面作成をAIに丸投げする
ということはありませんが
やはり補助的にAIは使っています。
お客様との契約書にも
乙(弁護士)は、依頼者への法的サービスの質を向上させるため、情報収集、分析、文書作成支援等の業務において、AI技術を補助的に利用する場合がある。AIが単独で法的判断を下すことはなく、最終的な判断および責任は乙(弁護士)が負う。また、AI利用においても、甲(依頼者)の秘密情報は厳重に管理されるものとする。
という規定を入れて
業務でAIを利用することについて
ご承諾をいただいています。
それは良いとしても
そのことを業務報告の中で
依頼者にどう伝えるか
ということです。
弁護士が裁判で必要となる主張書面を
とカジュアルに言ってしまってよいのか?
しかし
これを聞いた依頼者の側としては
という印象を受けるでしょう。
依頼者の側も
今の時代に弁護士が業務でAIを
使うこと自体を嫌がる人は
あまりいないでしょう。
もしかしたら
この弁護士も
ちゃんと最先端のAIを使って
業務を進めていますのでご安心を
ということが言いたかったのかも知れません。
しかし
「AIに書かせている」という言い方をされると
何か投げやりというか
やっつけ仕事というか
自分の仕事を大切に扱われていない
ような感覚を相手に与えます。
ですから
この弁護士に欠けていたのは
そういう言葉を受け取った依頼者がどう感じるか
という想像力やホスピタリティ
の感覚なのではないか。
他の弁護士への苦情というものは
いろいろと考えさせられるものです。
振り返ってみて
自分の仕事は大丈夫か?
不用意なひと言でお客様に
不安や不信感を抱かせていないか?
「他人の振り見て我が振り直す」
ではないですが
非常に身につまされるお話しでした。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。