「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

取引先への暴言・恫喝で会社も賠償責任? BtoBカスハラの法的リスク

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

カスタマーハラスメント(カスハラ)というと

一般消費者からの理不尽なクレームを

思い浮かべる方が多いでしょう。

 

 

ところが実は

企業同士の取引(BtoB)でも

カスハラは起こり得ます。

 

 

しかも

その言動次第では

 

 

会社自身が賠償責任を

負うことがあるので

注意が必要です。

 

 

 

(今日の「棒人間」 会社対会社でもカスハラになる??)

 

<毎日更新1885日目>

BtoBでもカスハラは成立するか?

広く顧客からの嫌がらせを意味する

カスタマーハラスメント(カスハラ)

 

 

これは

一般的には飲食店などの一般消費者を顧客とする

 

 

いわゆるBtoCビジネスで

問題となることが多いです。

 

 

ところが

場合によっては

企業対企業

 

 

すなわち

BtoBの世界でも

「カスハラ」被害が起こりうるのです。

 

 

これは実際にあった裁判事例ですが

医療機器の販売等を行う

会社に所属している社員は

 

 

とある病院(医療法人)の

営業を担当していました。

 

 

ところが

この社員が

病院の企画課課長と取引をする中で

 

 

その課長から脅しや恫喝を受けるようになり

医療機器の値引きを要求されるなどしました。

 

 

さらにその後

今社員はこの課長から

暴行なども受けるようになり

 

 

結局社員は会社を退職することを

余儀なくされました。

 

 

その後

この元社員は

 

 

この課長と

その雇用主である病院(医療法人)を提訴。

 

 

裁判所の判決では

この課長と病院に対し

 

 

連帯してこの元社員に対して慰謝料を

支払うように命じました。

 

 

この事例は

いわば医療機器を購入する

顧客の立場にある病院の課長が

 

 

販売会社の営業担当社員に

対して行ったカスハラと言え

 

 

まさにBtoBカスハラの典型

と言えるでしょう。

 

 

 

 

自社社員のカスハラ行為で会社が責任を負う場合

 

 

上記の事例で

実際に暴行や脅迫を行ったのは

病院に雇われている立場の課長です。

 

 

この課長が

不法行為ということでこの

医療機器販売会社の元社員に対して

 

 

損害賠償(慰謝料)の責任を

負うのはある意味当然です。

 

 

しかし

上記の判決では

それにとどまらず

 

 

この課長を雇っている病院(医療法人)も

連帯して損害賠償責任を負うと

判断しました。

 

 

実は

これは民法で定められた「使用者責任」

というものを根拠にしています。

 

 

「使用者責任」とは

簡単に言えば

 

 

自社が雇っている社員が

何かをやらかした場合

 

 

雇い主である会社も責任を取れ

という制度です。

 

 

もっと丁寧に言えば

自社の社員が

 

 

会社の業務に関して第三者に

損害を負わせた場合

 

 

その社員だけでなく

会社もその第三者に対して賠償責任を負う

というものです。

 

 

これは

そもそも会社というものは

 

 

社員を雇うことによって事業を行い

利益を得ています。

 

 

ですから

その社員が他人に損害を与えた場合には

 

 

雇い主である会社も責任を

負うのが公平だろう

という考え方があります。

 

 

これを

専門的には「報償責任(ほうしょうせきにん)

の原理」と言います。

 

 

 

 

 

 

 

社員がカスハラを行うのを予防する対策

 

いずれにしても

会社としては

 

 

自社の社員が他社の社員に対して

「カスハラ」を行い

被害を与えた場合

 

 

法的な責任を問われるリスクがある

ということです。

 

 

これは

上記のように

 

 

医療機器を購入する病院と

医療機器の販売会社のように

 

 

力関係のある企業間取引

などで起こりがちです。

 

 

元請会社の社員と下請会社の社員

業務を発注する企業と個人のフリーランス

 

 

といった関係でも同じようなことが

言えるでしょうね。

 

 

こうした

BtoBの関係において

自社の社員が他社の社員に対して

 

 

「カスハラ」行為を行うといった

トラブルを予防するためには

何が必要でしょうか?

 

 

これにはまず

自社の就業規則等で明確に

 

 

BtoBカスハラを禁ずるといった

対策を講じる必要があります。

 

 

具体的には

就業規則の服務規律等の箇所で

社員は、取引先の役職員に対して、社会通念上許容される範囲を超える言動により、当該役職員の就業環境を害してはならない

などと規定しておくことです。

 

 

さらに

もし社員がこれに違反して

取引先の社員等に対して

 

 

カスハラを行った場合には

懲戒処分を行うことができるように

しておく必要があります。

 

 

具体的には

これも就業規則の懲戒事由として

取引先の役職員に対して、社会通念上許容される範囲を超える言動により、当該役職員の就業環境を害し、当該役職員が就業する上で看過できない程度の支障を生じさせた場合

などを追加することが考えられるでしょう。

 

 

そして

こういった就業規則の規定を自社の社員に

「周知」させることももちろん必要です。

 

 

場合によっては

取引先社員に対するカスハラを防止

 

 

するための社内研修などを行う

ことも考えられます。

 

 

このブログでも何度かお話ししていますが

今年の10月から

 

 

すべての企業にカスハラ防止の

対策が義務化されます。

 

 

これは主に

自社の社員がカスハラの「被害者」

になる場合を想定しています。

 

 

しかし

場合によっては自社の社員がカスハラの

「加害者」となることもあり得るわけです。

 

 

こうしたことにもアンテナをはって

しっかりと対策を考えておきたいものです。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

サービスメニュー

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

◾️裁判しないで解決するノーリスクプロモーター・弁護士 吉田悌一郎のプロフィール

 

◾️あなたのお悩み解決・法律相談/なんでも相談サービス

 

◾️あなたの会社のトラブルを予防します〜あんしん法務ガード(顧問契約)

 

◼️「裁判沙汰」を予防する、契約書作成・リーガルチェックサービス

 

◾️弁護士による通知書(内容証明)作成・発送サービス

 

◾️メールによる法律相談サービスについて

 

◾️YouTube(渋谷の弁護士・吉田悌一郎の中小企業ビジネス法務チャンネル)

 

◾️あなたの声をお聞かせください

 

 

 

 

最新動画 

今回は「契約後の価格改定は可能か?建設会社が知るべき新ルール」というテーマでお話ししています。

 

 

活動ダイジェスト

昨日は基本的に1日お休みの予定でしたが、早朝から渋谷区倫理法人会モーニングセミナーに参加。
その後は軽くジムワーク。
それが終わってから、川崎市生田にあるお墓参り(恒例の墓前ビールも)。
夜はオンライン会議など、結構盛り沢山な1日でした。

 

 

 

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

お問い合わせ

住所 150-0031
東京都渋谷区桜丘町4番23号渋谷桜丘ビル8階
マップを見る
受付時間 【平日】9:30〜18:00
【土曜日】9:30〜12:00
渋谷共同法律事務所のHP

           

裁判しないで解決する
ノーリスクプロモーター

                               
名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

カテゴリー