スーパーの床にできた
ほんの小さな「水たまり」。
そこでお客様が転倒したことで
店側に約2100万円もの賠償が
命じられたケースがあります。
店舗経営者が知っておきたい
「転倒事故」のリスクについて
考えてみます。

(今日の「棒人間」 転倒に注意??)
<毎日更新1932日目>
都内のスーパーで40代の男性客が
床にできていた水たまりで滑って転倒。
翌日以降も痛みが引かず
後日に検査したしたところ
左肩の上腕骨近位端骨折などと
診断されました。
当初
治療期間は通院2週間
リハビリに数ヶ月という見通しでしたが
結局リハビリを続けること2年
痛みはなくならず
左腕は事故前と同じようには動かないまま
後遺症の診断が下されました。
そこで
男性は
スーパーの運営会社を相手に
治療費や後遺障害の慰謝料
将来の逸失利益などを請求して
裁判を起こしました。
スーパーの床に水たまりが
できていた原因は
店舗床下の排水管の詰まりで
スーパーの運営会社は
修理業者に依頼をしていたが
週末で対応が間に合って
いなかったとのこと。
ただ
スーパー側は裁判で
当日は漏水について注意喚起の
張り紙を貼っており
1時間に1回の頻度で社員が
窓ガラス用のスクレーパーで
拭いていたと主張。
しかし
裁判所は
店側の落ち度を認め
男性に対する約2100万円の支払いを
命じる判決を下しました。
判決では
男性にも歩行者としての
注意義務はあったものの
買い物客は普通は陳列棚を
見ながら歩くことから

常に足元に注意を払うべきだとはいえない
と指摘。
水が透明で見えにくいことや
注意喚起の張り紙が特売チラシと
同様に掲示されて気づきにくかった点
男性の後遺障害の程度が
大きかった点などが
上記の店側に対する支払い命令の
要素となったようです。
*以上の事案は、日本経済新聞「揺れた天秤〜法廷から〜」シリーズの、「スーパーの床に水、サンダルの客が滑って骨折 店側は「本人も不注意」」より引用しました。
この問題を
少し法律的な観点から
整理してみましょう。
そもそも
スーパーの店舗などは
一般の多くの人が出入りすることが
予測されるスペースです。
このようなスペースを管理する
立場にある店側としては
そこに出入りする人々を危険から
保護するように配慮する法的義務が
課されています。
これを
専門用語で「安全配慮義務」と言います。
たとえば
冒頭の事例にように
建物の中に水たまりができていて
歩行者がすべって転ぶ
危険性があるという場合。
その際
その建物を管理している会社などが
これに対する適切な対応を怠った場合に
この安全配慮義務違反の責任を問われる
可能性があるわけです。
したがって
店舗ビジネスをしている会社などは
店舗内外のお客様が怪我をしたりする
可能性のあるものがないかどうか
常に配慮することが求められています。
上記の事例で
スーパー側は
注意喚起の張り紙を貼り
1時間に1回社員がそこを拭いていたので
水たまりに対する「適切な対応」を
していた旨を主張しています。
しかし
裁判所の判決では
スーパーの店舗という特殊性から
買い物客は陳列棚を見ながら
歩くのが普通であり
そこまで足元に注意が行かない
可能性がある点を重視したようです。
このように
店側に求められる
顧客を危険から保護するための
「適切な対応」は
その場に応じたケースバイケースの
判断が求められます。
ちなみに
冒頭の事例では
男性が転倒した翌日には
前日にはなかった滑り止めの
段ボールが敷かれていたそうです。
男性は足で感触を確かめながら
「昨日こうなっていれば転ぶこともなかった」
と残念に思ったそうです。
このように
店側が「適切な配慮」を
欠いたとされたことで
2100万円という巨額の
賠償請求が認められてしまう
ことがあります。
また
このケースのように
場合によっては顧客に後遺障害が残り
重大な結果となることもあるのです。
なお
万が一事故が起こってしまった場合
加入している火災保険の内容を
確認することも大切です。
保険商品の内容によっては
店舗内のお客様への賠償保険が
付いているというものもあります。
いずれにしても
何かと雨の多い今のような季節
店舗ビジネスをされている方は
店舗内外のお客様の転倒事故には
くれぐれも注意が必要ですね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。