人手不足を背景に
今後ますます増えていくことが
予想される「外国人採用」。
しかし
日本人を採用するときと同じ感覚や
曖昧な知識で対応すると
思わぬ「裁判沙汰」に発展することも。
今回は
外国人の内定取り消しをめぐる裁判例から
会社側が注意すべきポイントを考えます。

(今日の「棒人間」 内定取り消しに怒る人??)
<毎日更新1938日目>
人手不足が続く中
外国人を採用する会社は今後も
増えることが予想されます。
今まで
外国人を採用したことが
なかった中小企業も
「良い人なら外国人も採用したい」
というケースは増えてくるでしょう。
そんな外国人採用をめぐって
会社側が約60万円の損害賠償を
命じられた裁判例が報道されました。
「日本人の保証人必要」 誤った説明で内定取り消し、会社に賠償命令
東京都内のコンピューターシステム
会社から内定を得ていたベトナム人男性。
この男性は
「技術・人文知識・国際業務」の
在留資格を持ち
2024年7月にこの会社から
内定の通知を受けました。
ところが
その後この会社から
日本人の保証人が用意できない場合は内定取り消しになる
と説明されます。
この男性は結局
内定の取り消しに合意しました。
しかし
その後この男性は
会社から「誤った説明を受けて内定
取り消しに合意させられた」として
この会社に対して裁判を起こします。
裁判の中で
実はこの会社の就業規則では
保証人の要件について
「3親等内の親族」などとするのみで
国籍や居住国の規定はなかった
ことが明らかになりました。
そのため
裁判所の判決は
この男性について

誤った説明で意思決定がゆがめられ、本来必要なかった内定取り消しの合意にいたった
と判断し
会社の責任を認めました。
ここで
多くの経営者が誤解している
問題があります。
それは
ということです。
というのは
一般に採用内定によって
会社と内定者との間には
「解約権留保付労働契約」が
成立すると考えられています。
簡単に言えば
内定を出した段階で
すでに一定の労働契約関係が
成立していることになります。
「契約」が成立している以上は
会社側の都合で一方的に内定を
取り消すことはできない
ということになるわけです。
そして
採用内定の取り消しが認められるのは
裁判例によれば
内定当時には知ることができなかった
事情が後から判明したなど
客観的に合理的で
社会通念上相当といえる理由
が必要とされています。
これは
採用する人が日本人であっても
外国人であっても同じです。
冒頭の事例では
そもそもこの会社には
採用にあたって「日本人の保証人が必要」
などというルールは存在しないかった。
ですから
客観的にも内定取り消しが
正当化される理由のない事案
であったということができます。
もちろん
外国人を採用する場合には
在留資格であるとか
就労可能な業務の範囲
在留期間など
日本人を採用する場合とは違った
確認が必要になります。
ただ
安易に
といった扱いをすることは危険です。
下手をすると
「外国人差別」ということで
問題が大きくなりかねません。
外国人採用では
上記の在留資格などの
問題がある一方で
労働法上は日本人と同じように
考えなければならない部分も
少なくありません。
したがって
「外国人だから」というだけで判断せず
採用条件や必要書類などについて
会社の就業規則や法律上の根拠を
きちんと確認することが重要です。
会社側の「思い込み」や
「誤った説明」のために
外国人内定者との間でトラブルになったり
冒頭の事例のように「裁判沙汰」に
発展してしまうリスクがあります。
外国人採用が当たり前に
なっていく時代だからこそ
会社側も正しい知識とルールを
身につけておきたいものです。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。