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渋谷の弁護士吉田悌一郎

変形労働時間制はなぜ「無効」になる? 企業敗訴が相次ぐ意外な理由

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「土曜日は出勤して

代わりに月曜日を休みにして」

 

 

会社ではよくある休日の変更ですが

実はこれが原因で

 

 

社員から多額の残業代を

請求されることがあります。

 

 

中小企業で割と広く使われている

「変形労働時間制」の落とし穴とは??

 

(今日の「棒人間」 連戦連敗??)

 

<毎日更新2010日目>

「休日を出勤日に変更」で会社が敗訴?

 

世の中の仕事で

繁忙期と閑散期があるという

職種はめずらしくありません。

 

 

たとえば

建設業や運送業

 

 

製造業などはその典型

と言えるかもしれません。

 

 

また

天候だとか

取引先の都合だとかによって

 

 

予定していた仕事のスケジュールの

変更を余儀なくされることもあるでしょう。

 

 

ある建設会社で

土曜日を休日にしていたところ

 

 

急に工事の予定が変更になって

しまったとします。

 

 

そこで

社長が社員に対して

悪いんだけど、今度の土曜日は出勤して。
その代わり、来週の月曜日を休みにするから。

と指示します。

 

 

一見

よくある話のように見えますね。

 

 

ところが

このような休日の変更などが原因で

会社が裁判に負け

 

 

多額の残業代の支払いを命じられる

ケースが相次いでいる

という報道がありました。

 

「休日を出勤日に」で企業敗訴相次ぐ 変形労働時間制に厳しい司法

 

 

この記事で問題となっているのは

「1年単位の変形労働時間制」

という制度です。

 

 

報道によると

引越大手のサカイ引越センターでは

 

 

運転手3人が未払い残業代

などを請求した裁判で

 

 

2023年8月

裁判所はこの会社の「変形労働時間制」

を無効と判断したとのこと。

 

 

また

今年3月には

 

 

関東地方の中小鉄工所

でも同様の裁判があり

 

 

会社側が敗訴の判決を受け

約155万円の支払いを命じる

判決が出されたとのことです。

 

 

これらの裁判で問題となった事情の1つが

あらかじめ休日と決めていた日を

 

 

会社が後から出勤日に変更

していたということです。

 

 

実はこの「変形労働時間制」という制度

会社が自由に社員の休日や

 

 

労働時間を変更できる

という制度ではないのです。

 

 

 

 

 

 

「変形労働時間制」とは?

 

そもそも労働基準法という法律で

社員の労働時間は

原則として1日8時間、1週間40時間まで

というルールが定められています。

 

 

これを超えて社員に

働いてもらうためには

 

 

いわゆる「36(サブロク)協定」

が必要となり

 

 

時間外労働に対する割増賃金

(残業代)を支払わなければなりません。

 

 

ただ

会社によっては

忙しい時期とそうでない時期があります。

 

 

たとえば

引越し業者であれば毎年3月

 

 

4月といった引っ越しシーズンは

忙しいでしょう。

 

 

あるいは

建設業でも工事の進捗状況や天候

などによって忙しさが変わってきます。

 

 

そこで

労働基準法では

 

 

上記で見た「変形労働時間制」

という制度が設けられています。

 

 

この「変形労働時間制」は

簡単に言えば

一定の期間で労働時間を平均し

 

 

忙しい日や週には法定労働時間を

超えて働くことができるようにする

制度です。

 

 

すなわち

一定の期間を平均して週40時間以内に

収まるように労働時間を設定すれば

 

 

あらかじめ定めた特定の日や週について

1日8時間

 

 

週40時間を超えて

働いてもらうことができる

というものです。

 

 

たとえば

ある週は忙しいので1日9時間働いてもらい

別の週は比較的ヒマなので1日7時間にする。

 

 

このように

一定の期間の中で労働時間を

調整する仕組みです。

 

 

 

 

この「変形労働時間制」には

主として「1ヶ月単位」のものと

「1年単位」のものがあります。

 

 

1ヶ月単位は

1ヶ月の期間で労働時間を調整する制度。

 

 

他方で

1年単位は

 

 

1ヶ月を超え1年以内の期間を対象として

繁忙期と閑散期に応じて労働時間を

調整する制度です。

 

 

上記の記事で問題となったのは

このうち「1年単位」の方です。

 

 

厚生労働省が行った調査によると

この「1年単位」の変形労働時間制を

採用している企業は全体の30.3%。

 

 

そのうち

社員数が30人〜90人の会社では

31.6%が利用しており

 

 

実は中小企業で多く

利用されている制度なのです。

 

 

ただ

この制度には

意外と厳しいルールがあります。

 

 

 

 

 

 

「あらかじめ労働日を決めておく」というルール

 

どういうことかと言うと

この1年単位の「変形労働時間制」

を導入するためには

 

 

労働者の過半数代表者などと

労使協定を締結し

 

 

労働基準監督署に届け出る

必要があります。

 

 

さらに

対象期間における労働日と

 

 

労働日ごとに労働時間をあらかじめ

特定しておかなければなりません。

 

 

この「労働日」と言うのは

簡単に言えば

 

 

会社があらかじめ出勤日として

決めた日のことを言います。

 

 

たとえば

年間のカレンダーを作成して

 

 

「この日は出勤日、この日は休日」という

ことを事前に決めておく必要があるわけです。

 

 

問題は

こうして一度特定した労働日や労働時間を

 

 

会社の都合で自由に変更することは

原則として認められないということです。

 

 

つまり

土曜日は休日の予定だったけど、仕事が入ったから出勤日に変更する

その代わり、来週の月曜日を休みにする

といった変更を

変形労働時間制の枠内で安易に

行うことはできないのです。

 

 

もちろん

休日出勤そのものがすべて

違法になるわけではありません。

 

 

ただし

休日に働いてもらうためには

 

 

休日労働や時間外労働して適切に

処理する必要があります。

 

 

単に別の日を休みにすれば

 

 

最初から休日を変更していた

ことになるわけではない

ということです。

 

 

さて

こういったルールに違反し

 

 

「変形労働時間制」が無効と判断された場合

会社にはどのようなリスクがあるのでしょうか?

 

 

この点は

長くなりましたので

また明日お話しします。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

 

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だいぶ涼しくなって気持ち良い季節です。
午前中は息子の勉強の付き添い、ブログやYouTubeの動画撮影など。
午後は入院している母親のお見舞いでした。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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