「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

【民事信託】高齢社長のリスク管理・認知症対策に備える

事業承継問題

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

100%株式を持っている高齢の

社長が重度の認知症で

会社は機能不全に。

 

 

そうならないための対策の1つとして

「民事信託」という方法があります。

 

 

(今日の「棒人間」 備えあれば憂いなし?)

 

<毎日更新1330日目>

100%株式を持っていた社長が重度の認知症になる悲劇

わしゃ〜ぜ〜んぶ忘れちまって、な〜んも知らんの!

中小企業では

経営者の高齢化が

社会問題になっています。

 

 

もし会社の株式100%持っている

社長が重度の認知症になって

 

 

判断能力がなくなったら

会社は一気に機能不全に陥ってしまう。

 

 

そんなブログを昨日書きました。

 

100%株を持っている社長が重度の認知症に!会社経営はどうなる?

 

 

この場合

社長が重度の認知症になって判断能力がなくなると

株主総会を開くこともできません。

 

 

また

判断能力がないので

 

 

後継者に株を譲渡すること

すらできなくなります。

 

 

そこで

この社長について

 

 

家庭裁判所に申し立てをして

成年後見人をつけなければならない。

 

 

その上で

この成年後見人から

後継者が株の譲渡を受ける。

 

 

そして

株主総会を開催して

後継者が社長に就任する。

 

 

高齢の社長が株式を100%握っている会社においては

何も対策をしていないことは大きなリスクです。

 

 

もしその社長の判断能力がなくなると

このような非常に面倒な

手続きを経なければ

 

 

後継者が会社を引き継ぐことが

できなくなってしまいます。

 

 

そこで

こうしたケースでは

 

 

やはりリスクに備える対策が

必要になってきます。

 

 

 

 

 

高齢社長のリスク管理・認知症対策に備える「民事信託」

たとえば

この社長にお子さんなどの

後継者がいる場合。

 

 

この場合

社長が持っている株式を

お子さんに贈与するとします。

 

 

そうすると

会社の株価が年間基礎控除の

110万円を超える場合には

 

 

贈与を受けたお子さんに

贈与税がかかってきます。

 

 

株価が低ければよいのでしょうが

もし会社がそれなりの

資産を持っていたりすると

 

 

株価が高く評価されます。

 

 

その場合には

お子さんに非常に高額な贈与税が

課税されるリスクもあります。

 

 

そこで

それを防ぐための1つの方法として

「民事信託」という方法があります。

 

 

信託というのは

 

 

たとえばAさん(委託者)が

信頼できるBさん(受託者)

との間で信託契約を結び

 

 

Bさんに対して

Aさんが持っている不動産や

株式などの財産を移転します。

 

 

そして

Bさん(受託者)は

 

 

Aさん(委託者)が設定した

信託の目的にしたがって

 

 

Aさん(委託者であり受益者)のために

その財産(信託財産)の管理・処分

などを行う

 

 

という制度です。

 

 

簡単に言えば

 

 

自分の財産を信頼できる人に

移転して管理してもらう契約

と言って良いかも知れません。

 

 

冒頭の100%株式を

持っている社長の例でも

 

 

社長がまだ元気なうちに

後継者である息子さん

との間で信託契約を結び

 

 

会社の株式などの財産を後継者である

息子さんに移転します。

 

 

この場合

社長が委託者かつ受益者

 

 

後継者である息子が受託者

ということになります。

 

こうしておけば

仮に社長が重度の認知症になって

判断能力がなくなっても

 

 

受託者である後継者が

株式の議決権を行使する

ことができます。

 

 

具体的には

後継者が株主総会で

社長の株の議決権を行使し

 

 

認知症になった社長を退任させて

後継者である自分を新たな代表取締役に

選任することが可能となります。

 

 

つまり

何も対策を講じなかった場合と比べて

 

 

後継者への事業の引き継ぎが

かなりスムーズに進む

というわけです。

 

 

 

 

 

 

将来の事業承継対策は「遺言書」

ただ

民事信託を利用するだけでは

 

 

将来社長が亡くなった場合の

対策としてはまだ不十分です。

 

 

つまり

もし後継者の他に

子どもがいたような場合には

 

 

父親である社長が亡くなると

後継者は他の相続人であるきょうだいなどと

遺産分割協議を行わなければなりません。

 

 

スムーズに話し合いがまとまればよいですが

会社の株などについて

 

 

他のきょうだいにも相続を希望する人が

出てきたりした場合は厄介です。

 

 

遺産分割協議がまとまらず

親族間で泥沼の相続争いが起きると

会社の経営にも重大な支障が生じます。

 

 

そこで

そのようなことを予防するためには

 

 

社長が元気なうちに

上記の信託契約だけではなく

 

 

会社の株式を後継者に相続させる旨の

遺言書を作成しておく

という方法があります。

 

 

ただ

たとえば他のきょうだいなどにも

「遺留分」というものがありますので

 

 

その点も考慮した遺言書にする方が

好ましいでしょう。

 

 

たとえば

会社の株はすべて後継者

である長男に相続させ

 

 

その他のきょうだいには現金や

預貯金を相続させるなどの配慮です。

 

 

大切なことは

これらの民事信託にしろ

遺言書にしろ

 

 

社長がまだ元気で判断能力があるうちに

やらなければならない

ということです。

 

 

判断能力がなくなってからでは

当然信託契約もできませんし

遺言書を書くこともできなくなります。

 

 

昨日も書きましたが

中小企業の社長の場合

 まだワシのめの黒いうちは

という感覚もあり

株式の譲渡や事業承継がスムーズに

進まないケースをよく耳にします。

 

 

しかし

上記のとおり

社長の判断能力がなくなって

 

 

「手遅れ」になってしまうと

最悪の場合は会社の事業に

重大な支障を来たしてしまいます。

 

 

備えあれば憂いなしです。

 

 

早めの対策が重要だということは

ぜひ頭に入れておいて

いただければと思います。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

 

 

サービスメニュー

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

◾️裁判しないで解決するノーリスクプロモーター・弁護士 吉田悌一郎のプロフィール

 

◾️あなたのお悩み解決・法律相談/なんでも相談サービス

 

◾️あなたの会社のトラブルを予防します〜あんしん法務ガード(顧問契約)

 

◼️「裁判沙汰」を予防する、契約書作成・リーガルチェックサービス

 

◾️弁護士による通知書(内容証明)作成・発送サービス

 

◾️メールによる法律相談サービスについて

 

◾️無料メルマガ「裁判しない生き方」

 

◾️【無料】セルフマガジン『裁判しないで解決する方法』の無料送付

 

◾️YouTube(渋谷の弁護士・吉田悌一郎の中小企業ビジネス法務チャンネル)

 

◾️Voicy(裁判しない弁護士のトラブル解決ラジオ)

 

 

 

 

最新動画 

今回は、「会社設立時の名残り?名義株問題を解消する方法」というテーマでお話ししています。

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

朝イチでかかりつけの耳鼻科への定期的通院。その後事務所へ。午前中は事務所の所内会議。午後は新規のお客様の法律相談、顧問先のお客様のご依頼の内容証明の書面作成が2件ほど、その他ブログなどでした。

 

 

 

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

お問い合わせ

住所 150-0031
東京都渋谷区桜丘町4番23号渋谷桜丘ビル8階
マップを見る
受付時間 【平日】9:30〜18:00
【土曜日】9:30〜12:00
渋谷共同法律事務所のHP

           

裁判しないで解決する
ノーリスクプロモーター

                               
名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

カテゴリー