「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

オフィス移転の落とし穴 中途解約で賃料4年分の違約金の定めは有効?

不動産賃貸

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

オフィスを移転したい。

 

 

そう思って契約書を見返したとき

思わぬ「違約金条項」に足が止まる

ことがあります。

 

 

中途解約で「残り4年分の賃料」

 

 

その請求、本当にそのまま支払う

必要があるのでしょうか?

 

 

 

(今日の「棒人間」 中途解約に潜む落とし穴??)

 

<毎日更新1807日目>

オフィス移転の支障となる違約金の定め

 

私の知人のA社長の会社では

最近オフィスの移転を

考え始めています。

 

 

というのも

テレワークの社員が増えてきて

 

 

今の広さのオフィスが必要なく

なってきました。

 

 

なので

もう少し狭くても

 

 

賃料の安いオフィスを探して移転したい

ということのようです。

 

 

ちょうど

A社長の会社の割と近くに

 

 

条件に見合った手頃な

オフィス物件が見つかりました。

 

 

そこで

本格的にオフィス移転を

検討し始めたところ

 

 

A社長はあることが

気にかかりました。

 

 

それは

今のオフィスの建物賃貸借契約書に

書かれた次の条項です。

 

(中途解約に伴う違約金)

賃借人が、本契約の期間満了前に本契約を解約しようとするとき、または賃借人の債務不履行により本契約が解除されたときは、賃借人は賃貸人に対し、解約日(または解除日)の翌日から本契約期間満了日までの期間に相当する賃料相当額を、違約金として直ちに支払わなければならない

 

 

ちなみに

A社長の会社が借りている

オフィスの賃貸借期間は5年間で

 

 

実は期間満了まであと

4年残っています。

 

 

もしオフィスを移転しようとする場合

今の賃貸借契約を中途解約する

必要があります。

 

 

しかし

それに伴って

 

 

残りの4年分の賃料を「違約金」として

支払わなければならないとすれば

かなりの経済的負担となります。

 

 

そんなこんなで

オフィスの移転をすべきかどうか

 

 

A社長は頭を悩ませている

というわけです。

 

 

 

 

中途解約時の違約金の定めの有効性

 

一般に

建物賃貸借契約において

 

 

賃貸借の期間中に借主から

中途解約がなされた場合

 

 

あるいは

賃料不払いなど借主の

債務不履行で契約を解除された場合。

 

 

この場合に

借主が貸主に対して

 

 

賃貸借期間満了日までの賃料額等を

「違約金」(ペナルティー)として

支払う旨が定められることがあります。

 

 

貸主としては

賃貸借契約の期間満了まで

 

 

借主から毎月約束の賃料が入る

ことを前提に物件を貸しています。

 

 

貸主の中には

銀行からローンを組んで

賃貸建物を建てて

 

 

借主から毎月入る賃料をローンの

返済に充てている人もたくさんいます。

 

 

ですから

期間の途中で借主側の事情によって

契約が解除された場合

 

 

貸主としては残りの期間分賃料が

入らなくなってしまうという

リスクがあります。

 

 

そこで

借主側の事情による中途解約の場合には

 

 

残りの期間分の賃料などを

「違約金」として支払うという

 

 

上記のような規定が定められる

ことがあります。

 

 

こうした中途解約の際の

違約金の定め自体は

 

 

原則として法的に有効である

とされています。

 

 

 

 

 

 

 

公序良俗違反で無効とされる場合

 

ただ

こうした違約金の定めが常に

有効になるのかと言えば

 

 

必ずしもそうとも言えません。

 

 

たとえば

違約金の額が

 

 

中途解約によって貸主が

被る損害を大幅に超え

 

 

借主に一方的に過酷な負担を

強いるような場合。

 

 

裁判例では

こうした場合には

 

 

公序良俗違反で無効になる

と判断したものがあります。

 

 

具体的には

たとえば

 

 

借主が中途解約に伴い

残りの期間分の違約金を

全額支払った。

 

 

しかし

貸主がすぐに次のテナントを入れて

賃料を得ていたようば場合です。

 

 

この場合

貸主はいわば賃料の二重取りを

しているに等しくなります。

 

 

こうしたケースで

貸主が新しい借主を募集するのに

通常要する期間

 

 

具体的には半年から1年程度の

期間を超える分については

 

 

公序良俗違反で無効と判断

されているものがあります。

 

 

あるいは

10年間の賃貸期間に対して

 

 

中途解約後の残り9年分の

賃料を請求するなど

残りの期間が極端に長い場合です。

 

 

この場合も

貸主の実損害を逸脱しており

 

 

無効と判断されやすいと

考えられます。

 

 

そこで

冒頭のA社長の会社のケースです。

 

 

一概には言えませんが

残期間4年間の賃料全額を

違約金とする場合には

 

 

公序良俗違反で無効とされる

可能性があると考えます。

 

 

一般には

残期間が3年を超えるような場合には

無効と判断されやすと思われます。

 

 

ですから

A社長の会社の場合

 

 

残期間4年のうち

3年を超えた部分(1年分)

については

 

 

公序良俗違反で無効とされる

可能性があるでしょう。

 

 

オフィスの賃貸借契約では

こうした中途解約の場合の違約金の

定めが置かれている場合があります。

 

 

こうしたケースでは

果たして貸主の要求どおりに

支払わねばならないのかどうか

 

 

上記のような検討が必要でしょう。

 

 

もしご自身で判断が難しい場合には

弁護士に相談することをお勧めします。

 

 

オフィスの移転に伴って

不測の損害を被らないように

注意したいものですね。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サービスメニュー

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

◾️裁判しないで解決するノーリスクプロモーター・弁護士 吉田悌一郎のプロフィール

 

◾️あなたのお悩み解決・法律相談/なんでも相談サービス

 

◾️あなたの会社のトラブルを予防します〜あんしん法務ガード(顧問契約)

 

◼️「裁判沙汰」を予防する、契約書作成・リーガルチェックサービス

 

◾️弁護士による通知書(内容証明)作成・発送サービス

 

◾️メールによる法律相談サービスについて

 

◾️YouTube(渋谷の弁護士・吉田悌一郎の中小企業ビジネス法務チャンネル)

 

◾️あなたの声をお聞かせください

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は「【M&A失敗の落とし穴】契約書に潜む「COC条項」とは何か?」というテーマでお話ししています。

 

 

 

 

活動ダイジェスト

久しぶりに早朝から5キロほどランニング。
ランニング中にスマホを落とし、画面にヒビが入るというハプニングが。
午前中は事務所近くのルノアールでブログなど。
午前中のルノアールは空いていて快適です。
スタバとかもいいけど、こういう雰囲気の喫茶店も好きなんですよね〜。
午後は事務所で仕事。
オンラインでの裁判期日や、顧問先のお客様との打ち合わせなど。
夕方渋谷のApple Storeへ。ヒビの入ったスマホを見てもらったところ、表面のガラスフィルムにヒビが入っただけで、本体は無事でした。助かった〜。本体の修理だと4〜5万円くらい取られますからね。やはりガラスフィルムを貼っていて正解でした。
夜は渋谷で倫理経営基礎講座という勉強会に参加。
その後は懇親会でした。

 

 

 

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

お問い合わせ

住所 150-0031
東京都渋谷区桜丘町4番23号渋谷桜丘ビル8階
マップを見る
受付時間 【平日】9:30〜18:00
【土曜日】9:30〜12:00
渋谷共同法律事務所のHP

           

裁判しないで解決する
ノーリスクプロモーター

                               
名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

カテゴリー