物流業界でこれまで慣行として
行われてきた「無償の荷役作業」
しかし
これが法律違反となる可能性があります。
今年施行された取適法では
物流業界にも新たな規制が
導入されています。

(今日の「棒人間」 それってまさか無償??)
<毎日更新1897日目>
宮崎県で自動車部品などの製造や販売を行う
「ミネベアアクセスソリューションズ」
という会社。
この会社で
運送委託先の業者に
荷物を積み降ろす「荷役」
などの作業を無償でさせたのは
中小受託取引適正化法(取適法)
違反に当たるとして
公正取引委員会が勧告を
出したとの報道がありました。
報道によれば
この会社では
今年の1月〜4月にかけて
運送を委託する会社に
合計546時間26分の荷役作業などを
無償で行わせていたとのこと。
この点
下請法の改正法である
中小受託取引適正化法(取適法)が
今年の1月から施行されました。
取適法では
従来の下請法の規制に加えて
新たに「特定運送委託」が
規制対象となりました。
今回の件は
この取適法によって規制された
「特定運送委託」に基づく勧告として
全国で初めてのケースとのことです。
この点
いわゆる物流業界においては
「無償の荷役作業」や「長時間の荷待ち」
が長年問題視されていました。
これはどういうことかと言うと
本来運送契約というものは
たとえば「荷物をAからB地点に運ぶこと」
に対して対価を支払う契約です。
しかし
物流業界においては
こうした運送業務以外の作業が
ドライバーの負担とされていました。
たとえば
契約に含まれていないにもかかわらず
荷物の積み込み
荷下ろし、検品、仕分け、ラベル貼りなどを
ドライバーが無料で行わされていました。
また
物流施設において
トラックバースト呼ばれる
荷積み・荷下ろしのスペースが空くのを数時間
あるいはそれ以上待機させられる
「荷待ち」も横行していました。
こういった待機時間は「業務中」とはみなされず
対価も支払われないケースが多発していたのです。
しかし
物流業界のこういった悪しき慣習が
ドライバーなどの労働環境を悪化させ
業界全体の持続可能性を脅かして
いる点が問題視されました。
そこで
こういった「特定運送委託」は元々
下請法の適用はありませんでしたが
今回の改正法である取適法において
新たな規制対象として追加された
というわけです。
取適法の規制対象となった結果
運送委託先の業者に対して
運送以外の作業
(荷積み、荷下ろし、倉庫内作業など)
を無償でさせることは
取適法が規制する「不当な経済上の
利益の提供要請」に該当する
可能性があります。
冒頭の
「ミネベアアクセスソリューションズ」も
まさにこうした「特定運送委託」における
無償荷役といった不当な経済上の
利益の提供要請ということで
公取委より勧告を受けたわけです。
このように
今まで慣行として行われてきた
「運送費の中に含まれていると
みなされる作業」であっても
適切な対価が支払われていない場合には
取適法違反となる法的なリスクが
高まっています。
荷役作業や荷待ち時間などが発生する取引では
一度契約内容を見直し
適切な対価が支払われているかどうかを
確認する必要があります。
法律も日々アップデートされています。
今まで大丈夫だったから
という発想は危険であり
やはり新しい法律の改正等にも
適宜アンテナを張っておく必要がありますね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。