「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

相場50万円なのに、家賃は32万円?「新規賃料」と「継続賃料」の違い

不動産賃貸

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

周辺の家賃相場は50万円。

 

 

ならば

今26万円で貸している物件も

50万円まで値上げできるのでしょうか?

 

 

実は

賃料増額の場面では「新規賃料」と

「継続賃料」という2つの考え方があり

 

 

相場どおりには上げられないことも

少なくありません。

 

 

 

(今日の「棒人間」 思ったほどには上がらない??)

 

<毎日更新1927日目>

新規賃料と継続賃料

昨日のブログでは

月額26万円で貸している物件が

 

 

同種の立地や広さの物件で賃料相場が

月額50万円程度になっていたという

お話しをしました。

 

相場50万円なのに家賃26万円? 貸主が知っておきたい「賃料増額請求」の落とし穴

 

 

まず

賃料増額については

借地借家法という法律で

 

 

今貸している物件の賃料が

近隣の物件と比較して不相当となった場合には

賃料の増額を請求できると定めています。

 

 

ただし

その場合でも

 

 

貸主が一方的に賃料を

値上げできるわけではなく

 

 

あくまで借主との協議

すなわち話し合いによって決める

ことを前提にしています。

 

 

その上で

当事者間で協議をしても

賃料の増額を合意できないときは

 

 

貸主の方で増額を求める調停

裁判を起こす必要があります。

 

 

さて

問題は

 

 

仮に貸主がこうした正規の手続きを

踏んで賃料の増額請求を行った場合

 

 

果たしてどの程度の増額が認められるか

ということです。

 

 

この点

今の賃料は26万円でも

 

 

相場が50万円ならば

そのレベルにまで賃料を上げたい。

 

 

物件を貸している人は

そう思うかも知れません。

 

 

ところが

話はそう単純ではありません。

 

 

というのは

賃料には

 

 

「新規賃料」と「継続賃料」という

2つの種類があります。

 

 

「新規賃料」とは

簡単に言えば

 

 

今この物件を新しく貸すとすれば

いくらの賃料が妥当かという問題。

 

 

他方で

「継続賃料」というのは

 

 

すでに続いている賃貸借契約の賃料を

今いくらに改定するのが相当か

という問題です。

 

 

そして

賃貸借契約における賃料増額請求は

 

 

この後者の「継続賃料」が

問題となります。

 

 

重要なポイントは

これらの「新規賃料」と「継続賃料」

は異なるということ。

 

 

ですから

周辺の賃料の相場が上がれば

 

 

そのままダイレクトに増額請求できる

というわけではないのです。

 

 

 

継続賃料とは何か?

 

冒頭の話で

月額26万円で貸していた物件について

 

 

今新しく別の人に貸すという場合であれば

新規賃料は月額50万円程度と

評価される可能性があります。

 

 

ところが

今までの既存の借主に対して

 今の相場は50万円だから、来月から50万円に値上げします

と当然に言えるわけではないのです。

 

 

ここで問題となるのが

上記の「継続賃料」と言われるものです。

 

 

簡単に言えば

「継続賃料」では

 

 

単に現在の市場相場だけを見るのではなく

これまでの契約関係や賃料改定の

経緯なども考慮して

 

 

現在26万円の賃料をいくらに改定するのが

公平・妥当かを判断することになります。

 

 

そして

賃料増額請求の調停や裁判では

 

 

正式に不動産鑑定士に

この「継続賃料」の鑑定を

依頼することがあります。

 

 

継続賃料の鑑定では

現在の新規賃料との開きだけではなく

 

 

直近に賃料を合意した時点

その後の地価・物価・経済事情の変化

周辺賃料との比較

 

 

従前賃料が決まった経緯などが

重要になってきます。

 

 

そうすると

新規賃料が50万円ならば

継続賃料も50万円

 

 

とはならず

むしろ鑑定の結果

 

 

継続賃料は31〜32万円程度と評価

されることも十分にあり得るのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

賃料増額請求、そう簡単には上がらない??

 

 

継続賃料を判断する上で

特に上記の「直近に賃料を合意した時点」

という要素は重要です。

 

 

たとえば

冒頭の事例で

 

 

月額賃料を26万円と合意

したのが2年前だった場合。

 

 

この場合

継続賃料の鑑定では

 

 

前回(2年前)に当事者が

合意した賃料の額は

 

 

当事者双方が「妥当」と認めた金額

であるという前提からスタートします。

 

 

仮に

貸主が

 

 

その時点(2年前)には

月額26万円で妥当だと思ったが

その後周辺相場が上がっていると聞いたり

 

 

他の物件のオーナーから

「うちはもっと取れている」

などという話を聞いたという場合。

 

 

貸主が急に慌てて

「うちももっと高く貸せるはず」

 

 

と言って賃料の増額を請求する

というようなケースがあります。

 

 

しかしながら

こういう「2年前は妥当だと思ったが

今は違う気がする」というような

 

 

心情の変化そのものは

法律上増額を請求できる

事由には当たりません。

 

 

そうではなく

客観的に

2年前は26万円で妥当だったが

 

 

今ではそれでは足りないという

客観的な事情の変更が必要となります。

 

 

一般的に言って

たったの2年でそれほど急激に

 

 

賃料額を高額にするような事情は

あまりないでしょう。

 

 

ですから

直近合意時点が割と現在から近い

という場合は

 

 

あまり大幅な金額の増額は

認められにくいのが実情です。

 

 

 

 

 

 

というわけで

昨日と今日で

 

 

賃貸建物の賃料の増額請求という

テーマでお話ししました。

 

 

最近では

都心の不動産価格の上昇の影響を受けて

 うちももっと高く貸せるはず!

という不動産オーナーからの

ご相談が多くなっています。

 

 

ただ

上記のとおり

いざ調停や裁判になってみると

 

 

「新規賃料」がそのまま

認められるわけではなく

 

 

実際には期待したほど上がらない

ということは少なくありません。

 

 

ですから

賃料の増額請求をしようというときは

 

 

ある程度その辺を冷静に

考える必要がありますね。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

 

 

サービスメニュー

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

◾️裁判しないで解決するノーリスクプロモーター・弁護士 吉田悌一郎のプロフィール

 

◾️あなたのお悩み解決・法律相談/なんでも相談サービス

 

◾️あなたの会社のトラブルを予防します〜あんしん法務ガード(顧問契約)

 

◼️「裁判沙汰」を予防する、契約書作成・リーガルチェックサービス

 

◾️弁護士による通知書(内容証明)作成・発送サービス

 

◾️メールによる法律相談サービスについて

 

◾️YouTube(渋谷の弁護士・吉田悌一郎の中小企業ビジネス法務チャンネル)

 

◾️あなたの声をお聞かせください

 

 

 

 

 

 

 

 

最新動画 

今回は、「そのロゴ、勝手に変更すると違法?経営者が知らない著作権の落とし穴」というテーマでお話ししています。

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、早朝から渋谷区倫理法人会のモーニングセミナーへ。

倫理法人会人入会して約5年、初めてフル講話の機会をいただきました。
お盆休みの真っ只中、また天候の悪い中ご参加いただいた皆さまに感謝です。
自分としては、まずまず思いの丈はすべてお話しできたかなと。
その後は、お仲間と昼飲み。
午後は事務所に戻って少し仕事。
夜は事務所の暑気払いと、盛り沢山な1日でした。

 

 

 

LINEで送る
このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

お問い合わせ

住所 150-0031
東京都渋谷区桜丘町4番23号渋谷桜丘ビル8階
マップを見る
受付時間 【平日】9:30〜18:00
【土曜日】9:30〜12:00
渋谷共同法律事務所のHP

           

裁判しないで解決する
ノーリスクプロモーター

                               
名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

カテゴリー