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渋谷の弁護士吉田悌一郎

社員が1300万円を水増し請求! 会社はすぐに「懲戒解雇」できるのか?

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竹中工務店で発覚した

社員による約1300万円の

水増し請求事件。

 

 

これほど悪質な不正なら

「当然、懲戒解雇でしょ」

と思いがちですが

 

 

実は社員の懲戒解雇には

慎重な判断が必要です。

 

 

今回は

不正を行った社員を会社が懲戒解雇

する際の注意点について考えます。

(今日の「棒人間」 その解雇、大丈夫??)

 

<毎日更新1961日目>

竹中工務店、水増し請求を画策した社員を懲戒解雇

 

大手ゼネコンの竹中工務店の現場責任者が

大阪・関西万博の会場の工事をめぐり

 

 

工事費用を下請け業者に水増し請求

させたとの事件がありました。

 

 

この現場責任者は

下請け業者に対して

 

 

万博工事の代金として約1300万円を

水増しして竹中工務店に請求させた

ということです。

 

 

そして

この現場責任者は

 

 

この下請け業者に自宅の

リフォーム工事を依頼し

 

 

水増し分をその費用に

充てていたとのことです。

 

 

この事件は

以前このブログでも取り上げた

ことがありました。

 

竹中工務店に1000万円水増し請求? 下請け会社にも「詐欺罪」が成立する?

 

 

このたび

竹中工務店がこの現場責任者だった社員を

懲戒解雇したとの報道がありました。

 

万博工事背任、竹中工務店が元現場責任者を懲戒解雇…「事実確認を踏まえ社内規定に基づき処分」

 

 

いわゆる典型的な水増し請求の

不正事案ですが

 

 

このような不正行為を行なった社員を

会社としてどう対処すべきか。

 

 

これには

雇い主である会社として

 

 

いろいろ考慮しなければ

ならない法的問題があります。

 

 

まず

この社員の刑事処分はどうなるか?

 

 

下請け業者と結託して

勤務先の会社に水増し請求を

行うということは

 

 

社員としての義務に違反し

会社に損害を与えていますので

刑法上の背任罪に当たり得るわけです。

 

 

実際

上記の現場責任者も

背任罪の容疑で逮捕・起訴されています。

 

 

そして

もう1つは民事上の問題。

 

 

この民事上の問題には2つあって

1つはこの社員を懲戒解雇できるかどうか。

 

 

そして

もう1つは

 

 

会社が被った損失をこの社員に

対して賠償請求できるかどうかです。

 

 

自社の社員が不正行為を行なった場合

法的にはこういったことが問題に

なるわけです。

 

 

 

 

順番に見ていきましょう。

 

 

 

社員を解雇するための要件

 

このブログでも何度か取り上げていますが

会社が社員に対して懲戒解雇を行うためには

 

 

まず就業規則において社員の懲戒規定を

整備することが大前提となります。

 

 

すなわち

あらかじめどのような行為を

行ったら懲戒となるのか

 

 

懲戒の種類や手続きなど

について整備しておくことです。

 

 

さらに

その上で実際に会社が社員を解雇するには

労働契約法という法律で

① 解雇の客観的合理的理由
② 解雇の社会通念上の相当性

という2つの要件が必要とされています。

 

 

ここで重要なことは

社員の不祥事

 

 

特に刑事事件に該当するような

不祥事があったからといって

 

 

懲戒解雇が有効になるとは限らない

ということです。

 

 

そうした場合でも、

会社として実際に何が起きたのかを

きちんと調査したか。

 

 

本人の言い分も聞いたものか。

 

 

過去の処分事例と比較して

「解雇」は重すぎないか。

 

 

停職や減給など

解雇より軽い処分ではダメなのか。

 

 

こういった点を慎重に

検討する必要があります。

 

 

こういった慎重な検討をせず

安易に社員を解雇してしまうと

 

 

後から裁判で「不当解雇」と

判断されるリスクが高いでしょう。

 

 

実際

少額の財物の窃盗事件を起こしたケースや

 

 

プライベートで飲酒運転をして

事故を起こしたケースなどで

 

 

結論的に解雇が無効だと

判断されているものがあります。

 

 

それでは

冒頭の竹中工務店の事例では

 

 

果たして現場責任者の社員に対する

解雇は有効なのでしょうか?

 

 

この点

今回のケースは

 

 

下請け業者も巻き込んで

水増し請求を画策していること

 

 

水増し請求の金額も1300万円と

非常に高額であることなどから

 

 

かなり悪質な事案であると

評価できるでしょう。

 

 

したがって

基本的には解雇の客観的合理的理由(①)も

解雇の社会通念上の相当性(②)も認められ

 

 

懲戒解雇は有効であろうと考えられます。

 

 

 

 

 

 

会社は社員に賠償請求できるか?

 

さて、次に

冒頭の事例で

竹中工務店は

 

 

この水増し請求を画策した社員に対して

会社が被った損害である約1300万円の

賠償請求ができるのでしょうか?

 

 

これも誤解の多い問題ですが

社員を懲戒解雇できるかどうかという問題と

 

 

その社員に不正行為の

損害賠償ができるかどうかは

一応別問題なのです。

 

 

実際の裁判例でも

社員が会社に損害を与えた場合に

 

 

会社の社員に対する賠償請求を

一定範囲に制限しているものがあります。

 

 

それでは

冒頭の事例の場合はどうなるのか?

 

 

この辺は

長くなりましたので

また明日のブログでお話しします。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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