弁護士に対する苦情の1つに、
「説明がわかりにくい」
というものがあります。
弁護士の説明が
わかりにくい理由は、
ズバリ、
わかりやすく説明する
トレーニングを積んで
いないからです。
(今日の「棒人間」 説明がわかりにくい人)
<毎日更新998日目>
弁護士に対する苦情の1つで、
よく耳にするのが、
とにかく
「説明がわかりにくい」
というもの。
法律というものは、
日本語で書かれてはいますが、
あれは日本語ではありません。
外国語だと思った方が
良いでしょう。
弁護士はプロなのですから、
その外国語を上手に翻訳して
お客様に説明する
必要があるわけですが、
それがうまくできない
弁護士が少なからず
いるようです。
たとえば、
どのような場合に
契約は成立するのか、
という話で、
契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示に対して相手方が承諾したときに成立します。
契約の成立には、原則として書面の作成その他の方式を備えることは要しません。
これは、
民法522条という法律に
書かれていることであり、
こうした説明でも、
法律的には間違って
いるわけではありません。
しかし、
こういう説明をされても、
普通の人はなかなか
わかりにくいですよね。
実際には、
このような説明の仕方をして、
この弁護士の説明を聞いてもさっぱりわからない
という不満を持たれる
ことが多い、
というわけです。
こういう場合は、
プロならば、
契約は、たとえば売買契約ならば、私が持っているこの時計をいくらであなたに売りましょうという申し込みの意思表示をして、それに対して、あなたがそれならば買いましょうという承諾の意思表示をしたときに成立します。
ですから、契約というものは、原則として口頭の約束のみでも成立しますので、法律上は「契約書」などの書面を作らなければならないわけではありません。
とは言え、口頭の約束のみでは、証拠が残りませんから、後々トラブルの原因になります。もし高価なものの売買をするならば、きちんとした「契約書」を作っておくことをオススメします。
このくらいの説明は
してもらいたい
ところでしょう。
ところが、
現実には法律という
外国語を上手に翻訳して
伝えることができない
弁護士が少なくなく、
「わかりにくい」
というクレームに
つながっているようです。
なぜ、
わかりにくい説明をする
弁護士が少なくない
のかというと、
端的に言えば、
弁護士は法律を素人に
「わかりやすく説明」
する訓練を受けて
いないからです。
弁護士になるためには、
「司法試験」という試験に
合格する必要がありますが、
これは法律の知識や
応用力を試す
ペーパーテストが基本です。
私の頃には、
最後に「口述試験」
というのがありましたが、
法律のプロ(大学教授や裁判官、弁護士など)
である試験官を相手に話すので、
特に素人に対して
わかりやすい説明をする
という試験ではありません。
司法試験に合格すると、
司法修習という
研修期間を1年間
(私の時代は1年半)
積む必要があるのですが、
この司法修習も、
実務研修ではありながら、
素人の人にわかりやすく
説明するといった
コミュニケーションスキル
を学ぶ機会はほとんど
ありません。
つまり、
一般の人にとっては
外国語に等しい法律を、
わかりやすく上手に翻訳する
というトレーングを
受けないままに、
実務の世界に
放り出されます。
弁護士は、
まず法律事務所に就職して、
勤務弁護士として実務の
修行を積むというのが
一般的です。
その就職した事務所で、
お客様にわかりやすく
説明する研修などを
施してくれる事務所も
ありますが、
まだまだそういった
事務所は少数派だと
思います。
多くは、
職人の世界のように、
「先輩の仕事を見て自分で覚えろ」
というスタイル。
就職した事務所に、
たまたま説明の上手な
先輩弁護士がいれば、
そうした先輩のスタイルを
学ぶことができますが、
説明が下手くそな先輩だと、
そうした機会もありません。
自慢ではありませんが、
いや、自慢ですが、
私は新人弁護士の頃から、
お客様から
「説明がわかりやすい」と
おっしゃっていただく
ことが割と多かったのです。
たしかに、
私は新人の頃から、
お客様にわかりやすく
説明するという意識は
持っていたと思います。
それはなぜかと言いますと、
端的に言えば、
私が若い頃、
学生時代に「アホ」
だったからです。
大学は法学部でしたが、
授業を聞いても
チンプンカンプンで
まったく理解できず。
早々に法律の勉強から
ドロップアウトした
過去があります。
その後、
紆余曲折あって司法試験を
めざすことになって、
猛勉強の末運良く合格
できたわけですが、
私の脳裏には、
自分の説明が、
あの昔のアホだった頃の
自分が理解できるだろうか、
というものがあります。
つまり、
過去のアホだった頃の
自分を基準にして
説明しているので、
一般のお客様から
「わかりやすい」という
評価をいただけるのだと
思います。
あともう1つは、
やはりこのブログや
YouTubeなどで、
日々「アウトプット」を
する習慣がついている
ことも大きいでしょう。
どう書いたら理解
していただけるか、
どうしゃべったら
わかっていただけるか、
常に考えながら
「アウトプット」をする。
これは、
「わかりやすい説明」が
できるようになるための
最強のトレーニング法
だと思います。
やはり毎日ブログを書く、
というのは、
仕事のトレーニング
としても大切ですね。
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それでは、
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。