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渋谷の弁護士吉田悌一郎

【下請法違反】契約時に金額をはっきり決めずに、後で値引きを要求された

下請法

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システム開発などでは、

契約時に業務内容や代金額を

明確に決められないという

ケースがあります。

 

 

しかし、

この場合には、

取引相手から、

後で代金を不当に減額されたり、

代金を払ってもらえなくなる

リスクがあります。

 

 

今回は、

このようなケースの対処法

についてお話しします。

 

 

 

 

 

(今日の「棒人間」 下請法を使って適正な請求を?)

 

<毎日更新912日目>

契約時に金額をはっきり決めずに、後で値引きを要求された

A社は、

ある大手企業から、

システムの開発の仕事を

受注しました。

 

 

受注金額は、

概算で5000万円と口頭では

聞いていたものの、

業務の性質上、

契約時には金額をはっきり

決めることができませんでした。

 

 

こうしたシステム開発の

仕事というものは、

具体的な業務内容やシステムの

仕様を確定するまでに時間を

要することが多く、

契約締結時にこうしたことが

確定していないことも

少なくありません。

 

 

そうすると、

どうしてもそれに応じて

受注金額も契約時には

確定できないことが

多いようです。

 

 

そして、

契約書は作成されましたが、

受注の代金額は「相当額」

とだけ記載されていました。

 

 

A社は、

大手企業から依頼された

システム開発の業務を行い、

納品も終了しました。

 

 

ところが、

この段階になって、

この大手企業から、

A社が行ったシステム開発の品質が、

大手企業が要求する水準には

達していないとの指摘を

受けました。

 

 

そして、

それを理由に、

代金額を5000万円値引き

するようにA社に要求

してきたのです。

 

 

A社としては、

当初大手企業から、

概算で5000万円だと

口頭で言われており、

それを前提に業務を行って

きましたので、

納得が行きません。

 

 

そこで、

A社がこの大手企業に抗議をすると、

大手企業からは、

5000万円というのは

あくまで概算で、

契約で金額が確定

していたわけではない、

と反論されてしまいました。

 

 

確かに、

上記のとおり、

契約書の代金額の欄には

「相当額」としか書かれて

いません。

 

 

A社としては、

こうした大手企業のやり方に、

何か対抗する方法は

ないのでしょうか?

 

 

 

 

契約時に報酬金額を決められない場合の対処法

まず、

上記のような例で

考えなければならないのは、

システム開発をA社に

依頼した大手企業には、

「下請法」の規制がかかる

ということです。

 

 

すなわち、

下請法では、

親事業者が、

下請事業者に対して一定の

仕事を発注した場合には、

下記の事項を記載した書面を

下請事業者に交付しなければならない、

とされています。

・下請事業者の行う仕事の内容
・代金額
・代金の支払期日
・代金の支払方法
・その他、公正取引委員会規則で定める事項

 

ですから、

まず原則としては、

上記の例で言えば、

大手企業はA社にシステム開発

を発注する段階で、

こうした代金額も記載した

書面をA社に交付しなければ

ならないわけです。

 

 

ただし、

上記のように、

一定の契約においては、

確かに契約時に業務の内容や

代金額のすべてを明確に

定めることが難しい場合も

あります。

 

 

そのような場合に備えて、

下請法でも例外を

設けています。

 

 

すなわち、

上記の書面記載事項のうち、

その内容が定められない

正当な理由があるものについては、

記載を要しないとされています。

 

 

しかし、

その場合でも、

親事業者は、

その内容が定められない理由

及び内容を定める予定期日を、

上記の書面に記載しなければならない、

とされています。

 

 

さらに、

代金額等の発注時に内容が

定められなかった事項の

内容が定まった場合には、

その際直ちにその定まった事項(代金額等)

を記載した書面を下請事業者に交付

しなければならない、

とされています。

 

 

そして、

親事業者が、

この下請法の規制に

違反した場合には、

50万円以下の罰金という

罰則も定められています。

 

 

ですから、

親事業者としては、

仮に発注時や契約時に代金額を

定めることができなかったとしても、

いずれかの段階で

それを明確に定めて、

書面を下請事業者に

交付する義務があります。

 

 

少なくとも、

下請事業者の業務が

終了するまで代金額を決めない、

などという扱いは、

下請法上は許されない

わけです。

 

 

 

 

 

後で不当な値引きを要求された場合の対処法

とは言え、

こうした下請法の規制に

違反している大手企業が

少なくないのも現実です。

 

 

そこで、

A社のような下請事業者の

対処法としては、

上記の例で言えば、

契約当初に概算5000万円

という代金額の合意が

できていたという証拠を

残しておく工夫が

必要となります。

 

 

1つは、

「概算5000万円」というものを

口頭だけではなく、

メールなどのやり取りで

残すという方法です。

 

 

メール上、

相手方が明確に

言わなかったとしても、

こちらで「議事録」という形で

「概算5000万円」のことを

記載して送ることも、

一定の効果はあります。

 

 

さらに、

契約時にできるだけ業務内容の

メニューを特定してそれぞれの

金額を記載した見積書を作成し、

相手方に送っておくことも

必要でしょう。

 

 

仮に、

契約書に明確に金額が

記載されなかったとしても、

こうした補強的な証拠を

積み重ねることで、

契約時に代金額を5000万円

とする合意があったと

認定できる場合もあります。

 

 

その場合に、

後になって、

大手企業が不当な値引きを

要求してきた場合には、

一種の契約違反を

主張することもできます。

 

 

さらに、

このような場合には、

大手企業は下請法の

別の規制を受けます。

 

 

すなわち、

下請法では、

下請事業者の落ち度がないのに、

下請代金の額を減額することを

禁止しているのです。

 

 

また、

下請事業者としては、

親事業者による

下請法違反がある場合には、

公正取引委員会を動かす

という方法もあります。

 

 

公正取引委員会は、

違反事業者に対して、

勧告や調査、

立入検査等を行う

権限があります。

 

 

さらに、

公正取引委員会では、

違反企業の企業名の公表

なども行っています。

 

 

今回のA社の事例のように、

契約時に業務内容や代金額を

明確に決められないという

事例はよく耳にします。

 

 

しかし、

このようなケースで、

後で代金を不当に減額されたり、

代金を払ってもらえなくなる

リスクがあります。

 

 

そうした場合の対処法を

知っておくことは必要だと

思います。

 

 

それでは、

また。

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回は、買いたたき・下請法違反、適正な値上げができずに給食会社が倒産?というテーマでお話ししています。

 

 

 

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、早朝から渋谷区倫理法人会の経営者モーニングセミナーに参加。
その足で、渋谷から湘南新宿ラインに乗って、途中で東武線特急に乗り換え、栃木県足利市へ。
足利市での仕事が終わり、午後は事務所に戻って仕事。
夕方は息子の習い事(美術教室)の送迎でした。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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