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渋谷の弁護士吉田悌一郎

株式の相続人から株式を買い取りたい場合【相続人に対する売渡請求】

会社法関係

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中小零細企業では

株式の譲渡制限があり

 

 

会社にとって好ましくない人が

株主になることを防止する

システムがあります。

 

 

しかし

株主が死亡して

 

 

相続人が株式を取得して

しまうことがあります。

 

 

この場合

会社がその株式の相続人に対して

 

 

株式を売り渡してもらうように

請求できる制度があります。

 

(今日の「棒人間」 売渡を強く迫る人)

 

<毎日更新1057日目>

株式の相続人から株式を買い取りたい

先日

とある会社のA社長から

ご相談をいただきました。

 

 

この会社では

株式について

 

 

A社長が60%

A社長の息子が10%

 

 

そして古参の幹部社員の

Cさんが30%を持っていました。

A社長の会社では

多くの中小零細企業がやっているように

 

 

会社の株式を他人に譲渡するには

株主総会の承認が必要

ということになっています。

 

 

これは

中小零細企業の場合

大企業とは異なり

 

 

株主は親族や従業員など

身内で固めていることが多い。

 

 

逆に

まったく知らない赤の他人が

 

 

株主として会社経営に

関与してくることは

通常は望ましくないわけです。

 

 

そこで

多くの中小零細企業では

 

 

こうした株式の譲渡制限の

制度を置いているわけです。

 

 

ところが

この古参の社員のCさんが引退し

その後亡くなりました。

 

 

そして

Cさんが持っていた株式30%は

 

 

Cさんの2人の息子がそれぞれ

15%ずつ相続によって

取得しました。

実は

上記の株式の譲渡制限は

相続などの場合には適用されません。

 

 

ですから

Cさんの2人の息子は

 

 

特に株主総会の承認がなくても

相続によって自動的に15%ずつの

株式を取得してしまうことになるのです。

 

 

そこで

A社長としては

 

 

もはや会社の経営に一切関与していない

Cさんの息子たちから

 

 

この株式(合計30%)を

譲渡してもらいたいと考えています。

 

 

 

 

相続人に対する売渡請求とは??

こんなときのために備えて

会社法という法律で

 

 

相続人に対する株式の売渡請求

という制度を定めています。

 

 

これは

まさに今回のような株式に相続が発生し

相続人が株式を取得した場合に

 

 

会社がその相続人に対して

株式を売り渡すように求める

という制度です。

 

 

この制度を利用するためには

まず、会社の定款にこの相続人からの

売渡請求の規定を置く必要があります。

 

 

ですから

もしこの制度がない場合は

 

 

まず定款変更の手続きを行って

この規定を設ける必要があります。

 

 

次に

株主総会を開催し、

・売渡請求をする株式の数
・売渡請求をする株式を有する人(相続人)の氏名等

について決議を行う必要があります。

 

 

その後、会社は

相続人に対して

 

 

その有する株式を

売り渡すことを請求し

 

 

その株式をいくらで

買い取るかの売却価格の

協議に入ります。

 

 

 

 

 

株式の売却価格はどのように決めるか?

株式の売却価格は

基本的に会社と相続人との間で

 

 

協議、すなわち話し合いで

決めることになります。

 

 

すんなり話し合いで

株式の売却価格が決まればよいですが

決まらなかったらどうするか?

 

 

実は

上場会社の株式などと異なり

 

 

中小零細企業など非公開会社の株式は

「市場価格」というものがありません。

 

 

非公開会社の株式は

基本的にその会社の純資産額

などを基準に評価します。

 

 

ただ

評価の仕方も何通りかあり

 

 

この評価方法や金額でモメる

ことも少なくないのです。

 

 

そこで

相続人との間で話し合いを

してみたけれども

 

 

折り合いがつかず交渉決裂

なんてこともあり得るわけです。

 

 

そこで

そのような場合は

会社あるいは相続人側は

 

 

会社による売渡請求の日から20日以内に

裁判所に、売却価格の決定を求める

 

 

申立てを行える

ことになっています。

 

 

この場合は

最終的に

 

 

裁判所が株式の売却価格を

決定することになります。

 

 

この

相続人からの売渡請求は

 

 

あくまで中小零細企業など

小規模な会社にとって

 

 

会社にとって好ましくない人が

株主として入ってくることを

阻止する制度であり

 

 

いわば小規模な会社の経営を

守る制度です。

 

 

ところが

世の中には

 

 

この相続人からの売渡請求が

悪用されるケースがあります。

 

 

すなわち

相続クーデターといって

 

 

少数の株主に会社を乗っ取られて

しまうことがあるのです。

 

 

明日は

この辺のことについて

お話ししたいと思います。

 

 

それでは

また。

 

 

 

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最新動画 

今回は、「50歳 この1年でチャレンジしたこと」というテーマでお話ししています。

 

 

 

 

春休み父ちゃん弁当日記

 ついに来てしまいました、息子の春休み。
ということで、給食のない学童保育に通う息子のために、私の弁当作りのミッションがまた再開です。昨日は、塩にぎり2個、豚肉とトマトの炒め物、きゅうりとハムのサラダ、ポテトフライ、デザートのイチゴでした。
後から息子に、「うまかったけど、ちょっと量が少なかった」とクレームがありましたので、これからは量を考えなければなりません。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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