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渋谷の弁護士吉田悌一郎

【残業の許可制】会社が許可していないのに、社員が勝手に残業をしていた?

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就業規則で

社員の残業は会社の許可制と定めていたのに

社員が勝手に残業をしていた。

 

 

会社がこれを黙認していると

残業の「許可制」の効力を否定されて

 

 

社員に残業代を支払わなければ

ならなくなることがありますので

注意が必要です。

 

 

 

(今日の「棒人間」 それは「無許可」??)

 

<毎日更新1149日目>

なぜだ?残業は許可制のはずなのに・・・

残業は許可していないのに、残業代請求とは何事だ??

A社長は

憤慨して法律相談に

お越しになりました。

 

 

なんと

A社長の会社を先月退職した社員から

内容証明郵便が届いたとか。

聞いてください!
先月、円満退社したはずのうちの元社員から、内容証明郵便が届いたんです。

なるほど、内容証明郵便ですね。
それで、いったいどんな内容だったのですか?

それが、その社員がうちで働いていたときに、未払いの残業代があるので、それを支払え、という内容なんです。

なるほど、残業代請求ですね。
それで、実際はどうだったんですか?未払いの残業代はあるのですか?

とんでもありません!
そもそもうちの会社の就業規則では、残業は会社の許可制になっているのです。

なるほど、就業規則で残業をするには会社の許可が必要だと定めているわけですね。
で、実際に社員さんは残業をしていなかったのですか?

いや、それが、実は忙しい時期などは、社員が残業をしていたことはあるようですが、しかし会社は一切許可していないのです。
そんな残業代は、支払う必要がないでしょう?

その、社員が会社の許可を得ないで残業していたということですが、会社はそれに対して、何か社員さんに注意は与えたのですか?

いや〜、いちいちそんなことまでやってませんよ。

う〜ん、そうだとすると、会社が社員の残業を黙認していたということになるので、残業代の支払いは必要となりますね。

なぜですか?
さっきから言っているように、会社の就業規則では、許可のない残業は認めていないのですよ!

就業規則というのは、形式的な定めだけではなく、実際の運用も重要なんです。
いくら許可制だったとしても、実際に会社が社員の残業を黙認している場合は、許可制の効力が否定されてしまう場合があるんです。

 

 

 

 

 

 

残業を「許可制」にする就業規則の効力

就業規則で

社員が残業を行うためには

 

 

会社の事前の許可が必要

であると定める場合があります。

 

 

こうした定め自体は

法律上特に問題となる

ものではありません。

 

 

実際に

このような就業規則の定めをおいて

いる会社は少なくないでしょう。

 

 

労働時間の残業規制が強まっている昨今

不要な残業を防止するためにも

 

 

このような規定が必要

となる場合があるでしょう。

 

 

ただ

就業規則というものは

作っただけでは意味がありません。

 

 

まず

就業規則は

 

 

その内容が社員に「周知」されて

いなければ法的な効力は

ないとされています。

 

 

よく

せっかく就業規則を作っても

それを社員に周知せず

 

 

社長が「秘蔵」している

場合があります。

 

 

社員が就業規則の内容を知らず

ヘタをすると就業規則の存在すら知らない

などというケースがあります。

 

 

社員に「周知」させるというのは

 

 

要するに社員がいつでもその

就業規則を閲覧できる状態に

置いておくことです。

 

 

社長室の棚に置いてある

というだけでは

 

 

社員に「周知」した

ことにはならないので

注意が必要です。

 

 

せっかく就業規則を作っても

社員に「周知」していなかったために

 

 

就業規則の法的な効力が否定されては

意味がありません。

 

 

それでは

就業規則を作り

 

 

それをきちんと社員に「周知」

させたとして

もう1つ重要なポイントがあります。

 

 

それは

実際の「運用」です。

 

 

 

 

 

 

 

就業規則は、実際の「運用」が大切

というのは

実際の労務管理の運用が

 

 

就業規則に基づいて

なされているかどうか

という点も重視されるからです。

 

 

すなわち

いくら就業規則に規定があっても

実際の「運用」がそれと異なっていれば

 

 

実際の「運用」を基礎に

判断されてしまいます。

 

 

この点

就業規則に

残業の許可制の規定を置いていたとしても

 

 

たとえば繁忙期などで

いちいち会社の許可を得ることが面倒で

 

 

事実上社員が会社の許可を

取らずに残業をしている

ということがあります。

 

 

その場合

会社が許可を取らずに残業

した社員に注意を与え

 

 

会社の許可をとるように促して

いるのであればよいのですが。

 

 

しかし

そうではなく

事実上会社が社員の「許可」のない

残業を黙認していることがあります。

 

 

この場合は

実際には

 

 

就業規則で定めた「許可制」

が運用されていない

 

 

許可なく残業することを

会社が許す運用をしていた

ということになってしまいます。

 

 

そうすると

 

 

せっかく就業規則で定めた残業の

「許可制」の効力は

否定されてしまいます。

 

 

その結果

社員から未払い残業代を請求された場合

 

 

会社は「許可していない残業だから払わない」

という反論ができないことに

なってしまいます。

 

 

このように

就業規則は

その内容だけではなく

 

 

実際にどう「運用」されているか?

という点も非常に重要です。

 

 

もし

就業規則の内容とは異なる運用を

会社が黙認していた場合

 

 

上記のように未払い残業代の

トラブルが発生し

最悪は「裁判沙汰」に陥る危険があります。

 

 

この点

私のミッションは

ということ。

 

 

社員との「裁判沙汰」を予防するためにも

就業規則は作っただけで

安心していてはいけません。

 

 

就業規則で定めた内容とは違った

「運用」がなされていないか

注意することが必要だと思います。

 

 

せっかく就業規則を作ったのに

「運用」で足元をすくわれない

ようにしたいものですね。

 

 

それでは

また。

 

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昨日は、午前中は自宅で仕事、 ブログ、YouTubeの動画撮影など。午後は事務所に出勤して仕事。新規でご依頼をいただいたお客様との打ち合わせなど。夕方は浅草の顧問先を訪問しての打ち合わせ。それが終わってから、帰宅途中に自宅近くの喫茶店で少し仕事をしてから帰りました。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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