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渋谷の弁護士吉田悌一郎

【パブリシティ権侵害】都知事選の掲示板に、有名人のポスターを勝手に掲示?

知的財産権

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インターネットのブログやSNSで

有名な芸能人やスポーツ選手の

顔写真を無断でアップ。

 

 

実はこれ

「パブリシティ権」を侵害する行為で

 

 

多額の損害賠償を請求される

リスクがあります。

 

(今日の「棒人間」 「肖像」を勝手に使われた??)

 

<毎日更新1156日目>

N国党がパブリシティ権侵害??

今度の7月7日に

東京都知事選挙が行われます。

 

 

各候補者の選挙活動が

活発になっていますが

 

 

この都知事選の

候補者ポスター掲示板に

 

 

俳優の故三浦春馬さんの肖像や

氏名を無断使用したポスターが

貼られていたという報道がありました。

 

 

故人の肖像を無断使用と撤去要求 都知事選、芸能事務所アミューズ

 

 

報道によれば

都知事選のポスター掲示板をめぐり

 

 

政治団体である

「NHKから国民を守る党」が

 

 

立候補者の枠に

好きなポスターを張れる

として寄付を募ったそうです。

 

 

結果的に

無許可で三浦さんの肖像や氏名を使用

したポスターを張った形となり

 

 

三浦さんが所属していた

芸能事務所アミューズが

 

 

このポスターの撤去を求める

声明を発表したとのことです。

 

 

この声明では

 このような事態に強い憤りを覚えており、ご遺族も大変心を痛めている

 無許諾での使用は、「パブリシティ権の侵害」である

と指摘しているそうです。

 

 

 

これを受けて

N国党側では

 

 

ポスターの掲示にアミューズ側の

許可を取っていないことを

明らかにした上で

 

 

自ら別のポスターを上から

張るといった対応を取るとし

同社や遺族、ファンらに向けて

 大変失礼いたしました!ごめんなさい

と記載したとのことです。

 

 

 

 

 

パブリシティ権とはどんな権利か?

さて

ここで「パブリシティ権」とは

いったいどんな権利なのでしょうか?

 

 

「パブリシティ権」とは一般的に

著名人の肖像や氏名のもつ顧客吸引力から生じる経済的な利益・価値を排他的に利用する権利

のことをいうとされています。

 

 

芸能人やスポーツ選手などは

その氏名や肖像などで

 

 

大きな経済的価値を

生む場合があります。

 

 

たとえばテレビCMに

芸能人やスポーツ選手が

出演することを考えれば

 

 

イメージが持てると思います。

 

 

もしこうした芸能人や

スポーツ選手といった

有名人の氏名や肖像を使って

 

 

何か広告をしたいと思えば

当然それ相当の対価の

支払いが必要となります。

 

 

にもかかわらず

無許可で勝手にこうした有名人の

肖像などを利用することが

 

 

まさに「パブリシティ権」の

侵害に当たるわけです。

 

 

具体的な「パブリシティ権」侵害

の態様としては

① 肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用する場合
② 商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付す場合
③ 肖像等を商品等の広告として使用する場合

があります。

 

 

いずれも

こうした有名人の肖像などが持っている

「顧客吸引力」の利用を目的とする行為が

 

 

「パブリシティ権」の侵害

に当たることになります。

 

 

なお

ちょっと気になるのは

上記の都知事選の例で

 

 

利用された肖像などは

すでに亡くなられた俳優である

三浦春馬さんのものです。

 

 

肖像党を利用されたご本人は

すでに亡くなっているので

 

 

この場合

いったい誰の「パブリシティ権」

が侵害されたのか

 

 

という問題が残ります。

 

 

実は

「パブリシティ権」というのは

 

 

比較的最近認識されてきた

新しい権利であるため

 

 

まだあまり裁判例も

それほど多くない状況です。

 

 

ただ

上記のとおり「パブリシティ権」は

 

 

「顧客吸引力から生じる経済的な

利益・価値を排他的に利用する権利」

です。

 

 

そして

たとえば芸能人の肖像などが持っている

「顧客吸引力」などは

 

 

ご本人の力だけではなく

やはりそれを強力にバックアップする

芸能事務所の存在が欠かせません。

 

 

そこで

法人である芸能事務所にも

 

 

その芸能人などについての

「パブリシティ権」が

認められる可能性がある

 

 

とされています。

 

 

さらに

亡くなられた有名人の遺族

すなわち相続人も

 

 

ご本人が持っていた

「パブリシティ権」を

相続できる余地があり

 

 

そうすると

一定の場合はご遺族にも

 

 

「パブリシティ権」が

発生することになります。

 

 

 

 

 

 

 

安易に「有名人」の写真を拝借するリスク

さて

この「パブリシティ権」侵害

が認められる場合

 

 

被害を受けた側

(本人、相続人、芸能事務所等)

 

 

加害者に対して

その行為の差し止めや損害賠償を

請求することができるとされています。

 

 

民事上

相手の「パブリシティ権」

を侵害することが

 

 

一種の「不法行為」になる

ということになります。

 

 

ただ

この「パブリシティ権」侵害というのは

 

 

特別な話ではなく

結構普通の人が何気なくやって

しまっていることがあります。

 

 

たとえば

ブログやSNSなどで

 

 

芸能人やスポーツ選手などの

有名人の写真をアップしている

(おそらく許可はとっていないと思われるもの)

 

 

これも立派な「パブリシティ権」侵害

になり得る行為です。

 

 

人の顔が写った写真をインターネット上に

アップする行為は

 

 

場合によっては「肖像権」を

侵害する行為になります。

 

 

この「肖像権」については

以前のブログで書いた

ことがあります。

 

【肖像権】他人の「顔写真」をネットで公開することのリスク

 

 

今回の「パブリシティ権」も

肖像が絡みますので

「肖像権」の一種とも考えられます。

 

 

ただ

「パブリシティ権」侵害は

 

 

単に肖像を勝手に使われた

という問題だけではなく

 

 

その持つ「顧客吸引力」などの

経済的な価値を勝手に使われた

という意味を持ってきます。

 

 

そうなると

損害賠償という場面では

 

 

無名の人の肖像権を侵害

した場合と比較して

 

 

かなり高額の請求を

受けるリスクがあります。

 

 

そこで

やはり有名人の写真などを

安易にブログやSNSに引用して

 

 

インターネット上に

アップする行為は

やめるべきだと考えます。

 

 

そんなわけで

この「パブリシティ権」の問題

 

 

都知事選という特殊な

場面だけの話ではなく

 

 

意外に身近で問題となりうる

話だということで

今日はお話ししました。

 

 

今は

インターネットで誰でも簡単に

情報が発信できる時代で

 

 

そのこと自体は

すばらしいと思います。

 

 

ただ

そこにも自ずとルールがあり

 

 

それを破るといろいろ

リスクもあるので

注意したいところです。

 

 

それでは

また。

 

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最新動画 

今回は、「弁護士選びのポイント、説明がわかりやすい、は重要??」というテーマでお話ししています。

 

 

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、午前中は近所の歯科医へ。定期健診と歯のクリーニングでした。午後は事務所に行き、お客様との打ち合わせなどでした。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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