「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

カスハラ対応の失敗?顧客対応のリスクについて

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これは「カスハラ」なのか

正当な顧客なのか?

 

 

現場では判断が

難しい場合があります。

 

 

顧客対応のリスクを避けるためには

やはり常日頃からの準備が重要です。

 

 

(今日の「棒人間」 これってカスハラ??)

 

<毎日更新1245日目>

顧客を店の外に連れ出して「裁判沙汰」に?

部長、大変です!
お店の中でお客さん同士がケンカしています。

関東地方のある道の駅で

起きた出来事でした。

 

 

従業員から連絡を受けたのは

施設管理責任を負う運営会社の部長。

 

 

部長が店舗の中に入っていくと

2人の買い物客が向き合い

片方は声を荒げる中年男性。

 

 

そして

もう一方の男性客は

スマートフォンのカメラを向けていました。

 

 

部長は

このままでは

他の客に迷惑がかかると判断し

 

 

「他のお客さんに迷惑だから

とにかく店の外に出て」

と2人に動くように促しました。

 

 

大声をあげていた客は店外に誘導できましたが

もう一方のスマホで撮影していた男性客は

再び店内に戻ろうとしました。

 

 

部長は

「すみません、一回出てください。」

と言いましたが

 

 

この男性客は応じる

様子はありません。

 

 

そこで

部長はやむなく

この男性客の腕をつかんで

 

 

数メートル引っ張り

外に出しました。

 

 

後日

この男性客は

部長に対して

 

 

治療費や慰謝料を求める

裁判を起こしました。

 

 

この男性客の言い分では

 

 

部長に引っ張られたことで

肘の関節を捻挫する怪我をした

とのことでした。

 

 

 

 

「粘り強く働きかける」べき???

 

部長側は裁判の中で

男性客を外へ連れ出したのは、施設の営業利益を守り、安全を守るための行為で違法性はない

と主張しました。

 

 

また

男性客がスマホで撮影

していたということもあり

 

 

部長は「あまりいい気分ではなかった」

と言います。

 

 

近年増えている「迷惑客」や

一種の「カスタマーハラスメント」

という頭もあったかもしれません。

 

 

他方、男性客は

単に買い物に来ていただけで

 

 

しかも中年男性から大声を

出されてからまれていた。

 

 

自分がクレーマー扱いをされ

腕を引っ張って無理やり外に

連れ出されたのは心外だ

 

 

という思いがあったのでしょう。

 

 

この裁判は

途中で裁判所から「和解」の

勧告がなされましたが

 

 

双方最後まで折り合う

ことがなかったそうです。

 

「裁判上の和解」は「仲直り」ではありません。

 

 

判決では

部長の考え方に一定の

理解を示しました。

 

 

すなわち

トラブルで他の客が近寄りがたくなるなどの影響が生じ、部長にとって自体の正常化を図る必要があったことは「否定できない」

と述べました。

 

 

しかし

他方で

男性客は、物理的な攻撃を加えていたわけでもなく、単に店の中にとどまろうとしていたと指摘し、部長は、粘り強く働きかけるなどして、あくまで任意に退出するよう促すのが相当だった

と判断しました。

 

 

その上で

腕を引っ張った行為の違法性を認め

 

 

部長と運営会社に慰謝料や治療費など

約12万円を連帯して支払うよう命じました。

 

日経 カスハラか客軽視か 部長が浴びた火の粉

 

 

 

 

 

 

顧客対応のリスク

なかなか微妙な事例で

しかも微妙な判決だったと思います。

 

 

この男性客も

気の毒と言えば気の毒

かも知れませんが

 

 

現場での部長の判断も

あながち間違っていた

とは言いにくい。

 

 

ただ1つ

部長がこの男性客の腕を引っ張った

身体に触れたという点は

 

 

やはりリスクの高い行為

であると言わざるを得ません。

 

 

確かに

店内でスマホのカメラで撮影する

という行為の当否の問題はあるにせよ

 

 

それに対して腕を引っ張るという行為は

やはり正当とは判断されないでしょう。

 

 

また

人の身体に触れるというのは

 

 

こうした「暴行」という

意味合いだけではなく

 

 

人によっては「セクハラ」行為

と非難されかねない行為です。

 

 

そんなことで

やはり微妙ではありますが

 

 

判決が言うとおり

ここはあくまで粘り強く

外に出るよう言葉で促す

 

 

という行動をとるべきであった

と言えるでしょう。

 

 

いずれにしても

カスハラなのか

そうでないのか

 

 

現場の判断が難しいという

場合は十分にあり得ます。

 

カスハラと、正当なクレームとはどう違うか?区別のポイント

 

 

だからこそ

社内で全社的に

 

 

カスハラ対策や予防策を常日頃から

考えておく必要はあると思います。

 

 

具体的には

自社にとって「カスハラ行為」

とは何なのかを

 

 

きちんと定義化しておくことです。

 

 

そして

実際のカスハラ被害を想定し

 

 

シミュレーションなどの

対策を検討しておくことです。

 

 

このように

顧客対応にもリスクがあり

対応を誤ると

 

 

冒頭の事例のように「裁判沙汰」

にまで発展することがあります。

 

 

この点

私のミッションは

というもの。

 

 

こう言ってはナンですが

 

 

数十万円という単位の金額で一々

裁判を起こされていては

身が持ちません。

 

 

「裁判沙汰」を避けるためにも

 

 

常日頃から「カスハラ対策」

「顧客リスク対策」を考えて

おくことが何より重要ですね。

 

 

それでは

また。

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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