スマホを使って誰でも
動画を簡単に撮影できる時代。
それだけに
動画にまつわるトラブルも
増えています。
交渉の場で
勝手に相手を撮影する行為は
肖像権侵害やプライバシー権
侵害の可能性があります。
<毎日更新1315日目>
誰でも
スマホを使えば簡単に動画を
撮影できてしまいます。
考えてみればすごいもので
昔は一個人が動画など簡単に撮影
できるものではありませんでした。
今では
私のような映像の素人でも
YouTubeチャンネルを持てるのですから
考えてみれば不思議なものです。
◾️YouTube(渋谷の弁護士・吉田悌一郎の中小企業ビジネス法務チャンネル)
とは言え
誰でも簡単に動画を撮れる時代になったことで
それにまつわるトラブルも増えてきます。
先日
私の顧問先のA社長から
ご相談がありました。
A社長が
新規の取引先と
相手方のオフィスで商談をしていました。
ところが、後日
その取引先が
そのときの商談の模様を無断で動画に
撮影していたことがわかったのです。
A社長は
まさか動画に撮られているとは
まったく気づきませんでしたが
その動画には
A社長の顔も
そのときの表情もバッチリ
映っていたそうです。
勝手に動画を撮られては
誰だって良い気持ちはしません。
怒り心頭のA社長。
この取引相手に対して
法的に何かできないのか?
というご相談でした。
許可を得ずに勝手に
動画を撮影する行為は
肖像権侵害が問題となります。
「肖像」とは
人物の容貌
姿態などを
うつしとった絵
写真、彫刻などの
ことを言うとされています。
そして
「肖像権」というのは
個人が自身の肖像をコントロールし
他者が無断で利用することを
制限する権利のことを言います。
人は
みだりに他人から自分の顔や容姿などを
写真や動画を撮られたりしない
まして撮られた写真を世間に公表されたり
利用されたりしない
権利を持っているわけです。
ですから
勝手に他人の動画を撮影する行為は
肖像権侵害となり
その人に対する不法行為
となる可能性があります。
さらに
勝手に他人の動画を撮影する行為は
「プライバシー権」侵害の問題が
生じる可能性があります。
「プライバシー権」とは
自分の私生活をみだりに
公開されない権利とか
自己に関する情報を
コントロールする権利
と言われます。
公道などではなく
密室での会話などの無断撮影は
やはりプライバシー権侵害と
判断されやすくなるでしょう。
このように
肖像権侵害やプライバシー権
侵害となる場合には
動画の無断撮影行為は民事上の
「不法行為」となります。
ですから
その場合には
無断撮影者に対して損害賠償請求が
可能となる場合があります。
ただし
例外的に
無断での動画撮影が法的に
許される場合があります。
まず
自分や第三者の権利を守るために
撮影が必要不可欠な行為であり
社会的な相当性が認められる場合です。
具体的には
たとえば
相手方から脅迫されていたり
あるいは相手方が詐欺行為を行なっていて
それを証拠として残す
必要がある場合などです。
もう1つは
重大な危険や被害を回避するために
必要な行為であると認められる場合です。
たとえば
相手方が暴力をふるう恐れがある場合や
自分の安全を守るために
記録が必要な場合などです。
ですから
このような「例外的」な事情がない限り
やはり相手に無断で動画を撮影する行為は
法的にもNGと考えて
おいた方がよいでしょう。
今は誰もが簡単に動画を
撮影できる便利な時代。
それだけに
動画を勝手に撮影して
インターネットに拡散するなど
他人の権利侵害も
起きやすくなっています。
こうしたトラブルを予防するためにも
やはり動画撮影に関する法的ルールは
理解しておいた方が良さそうですね。
それでは
また。
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今回は、「お客様の写真や氏名をチラシに載せたい!肖像権やプライバシー権侵害のリスクと対策」というテーマでお話ししています。
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Profile
中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。