
副業ブームの世の中ですが
会社が社員の副業を禁止できる
という誤解が世間に根強くあります。
実は
会社が社員の副業を一切禁止する
ということはできず
一定の場合に制限できるとされています。
社員の副業を制限できるのは
どんな場合でしょうか?
(今日の「棒人間」 本業と副業の天秤??)
<毎日更新1470日目>
あの〜、副業をしたいんですけど。
うちは副業は禁止じゃ〜!
そんな・・・
会社にまつわる法律のよくある誤解として
というものがあります。
今の時代は
政府も副業を奨励していて
世の中では一種の副業ブームが続いています。
ただ
会社の立場からすれば
社員の副業はいろいろ心配な面があります。
副業は勤務時間外で行われる
ものであるとは言え
社員の自由時間の過ごし方が
その社員の業務のパフォーマンスや
会社の信用に影響する場合もあり得ます。
ですから
会社としては
社員の自由時間についても
ある程度の関心は
持たざるを得ないでしょう。
したがって
会社の就業規則などで
社員の副業を禁止したい
という考えが出てきます。
この点
公務員の場合は
職務専念義務があり
法律で副業や兼業が禁止されています。
民間企業で同じことができるのか
というのがここでの問題です。
この点
基本的に社員の勤務時間以外の時間は
自由時間であり
原則としてその時間をどう使うかは
社員の自由です。
ですから
会社の就業規則などで
社員の副業を一切禁止することができない
とされています。
ここが
世間でよく誤解されている点ですね。
とは言え
やはり副業の種類によっては
会社の秩序を害したり
会社の信用が傷つけられることがあります。
たとえば
極端な例ですが
社員が勤務時間終了後にコンビニで
夜通しアルバイトをしたとしましょう。
翌朝寝ないで出勤し
勤務時間中に居眠りをした
としたらどうでしょう?
あるいは
社員が会社の業務と同じ仕事を
副業として行うと
一種の競業取引となり
会社の利益が害される
場合があり得ます。
このように
社員の副業をまったく自由にしてしまうと
こうした弊害が発生する可能性があります。
そこで
裁判例では
社員の副業について
会社の「許可制」とすることは
許されるとされています。
ただ
会社の「許可制」とは言っても
会社が許可するか否かを
まったく自由に決められる
というものではありません。
何らの弊害がないにもかかわらず
会社が副業を許可しないとすれば
やはり上記の社員の自由時間
に対する不当な拘束になります。
そこで
裁判例では
あくまでその副業が会社での仕事に影響する支障や
企業秩序に当たる影響などを考慮して
会社が許可するかどうかを
決定すべきとされています。
具体的には
会社が社員の副業を制限する
ことが許されるのは
に限られるとされています。
ですから
このような事由があれば
会社は社員の副業を許可しない
という形で制限することができる
ということになります。
ただ
この基準だけでは
具体的にどんな種類の副業が
どんな場合に許可されるのか
基準が明確ではありません。
そこで
まず許される副業の種類や基準を
あらかじめ就業規則で定めておく
という方法があります。
また
上記の③の
会社と競業取引にあたる副業についてです。
これについては
別途就業規則で禁止する規定を設けたり
社員に誓約書を書いてもらうなどの
方法も検討すべきでしょう。
今後は
多くの会社で社員の副業にまつわる
問題が出てくることが予想されます。
社員との余計なトラブルを予防するためにも
就業規則や労働契約書
誓約書などといった書面を
きちんと整備しておくことが大切ですね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
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中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。