
社長の死亡によって会社の
株式が分散してしまうリスク。
こうしたリスクを予防するには
「遺言」作成が有効です。
ただ
「遺言」を作成する際には
後継者以外の相続人の「遺留分」
に注意する必要があります。
(今日の「棒人間」 相続争いは辛い??)
<毎日更新1548日目>
会社の円滑な事業承継を行うために
社長が生前「遺言」を作成して
おくことの重要性について
昨日のブログで書きました。
すなわち
もし会社の株式100%を持っている社長が
遺言をの残さずに死亡した場合です。
この場合
社長の死亡後に会社の株が
分散してしまうと
後継者が会社を運営していくにも
大きな支障が出るおそれがあります。
そこで
早めの遺言作成による事業承継対策を
検討された方が良いでしょう。
ただ
遺言を作成するにあたり
注意すべき点があります。
それは
後継者以外の他の相続人の
「遺留分」に注意することです。
「遺留分」とは
亡くなった人が遺言で財産を
自由に分けようとしても
特定の相続人(配偶者、子など)に
最低限保証される取り分
のことを意味します。
遺留分は
配偶者や子どもが相続人の場合は
法定相続分の1/2の割合となります。
したがって、たとえば
遺言によって社長の株式を
長男に承継させても
他の相続人(妻や次男)にも
「遺留分」を請求できる権利が
あるということ。
ですから
遺言を作成する段階で
この他の相続人の「遺留分」にも
配慮した内容にすることが重要です。
具体的には
会社の株式を長男にすべて相続させる代わりに
他の相続人(配偶者や次男)には
それぞれ遺留分に相当する
財産(金銭や不動産など)を相続させる
内容の遺言を作成するのが1つの方法です。
なお
この事業承継における「遺留分」について
民法で特例が定められています。
1つは
被相続人(社長)の生前に
将来の相続人全員(配偶者、長男、次男)が
会社の株式を「遺留分」の対象となる
財産から除外する合意をすることができます。
これを
「除外合意」と言います。
除外合意を行っておけば
社長が死亡した後
後継者が承継した会社の株式については
他の相続人から遺留分の請求を
されるリスクがなくなります。
もう1つが
遺留分の計算上
会社の株式の価額を
一定の時点の時価に固定する合意を
やはり将来の相続人全員で
合意をすることができます。
これを
「固定合意」と言います。
これは
どういうことかと言うと
社長の生前に
後継者(長男)の努力によって
被相続人(社長)の死亡時に株
価が上昇したという場合。
そのままで行くと
被相続人死亡時の上昇した価額の株式が
遺留分請求の対象となってしまいます。
そこで
被相続人の生前に
将来の相続人全員が話し合って
会社の株価をその時点(話し合いの時点)の
価額で固定するという合意
をすることができます。
そうすれば
後継者の経営努力によって株価が上がっても
以前の話し合いをした時点での株価が
遺留分の対象となります。
つまり
後継者による経営努力による株価上昇分は
遺留分の対象に含まれなくなります。
今
少子高齢化の影響もあり
経営者の高齢化も深刻な
問題となっています。
中小企業の事業承継は
目下大きな社会問題となっており
今後の日本の経済にも多大な
影響のある課題です。
こうした法律上の制度を上手に使いながら
早めの準備を進めていきたいところです。
それでは
また。
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夏休み父ちゃん弁当日誌
メインはピーマンと豚バラの甘辛炒め、ポテトフライ、ウインナー、サラダ、デザートのスイカでした。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。