ノーマスクでの勤務を理由にした解雇は無効である、
という裁判所の判決が出ました。
今の社会は、あまりにもマスクに対して過剰すぎる
ので、ちょっと息苦しい面もありますね(^ ^)
(マスクをしてブログ執筆@東海道新幹線)
<毎日更新583日目>
先日、大阪地方裁判所でおもしろい判決が出たよう
なので、ご紹介したいと思います。
関西の近鉄住宅管理というマンション管理会社が、
雇用しているマンションの管理人さんに対して行な
った解雇が無効であるとされた判決です。
この事件では、管理人さんは、雇用主であるマンシ
ョン管理会社から、新型コロナウイルス対策として、
業務中にマスクの着用を命じられていたそうです。
しかし、この管理人さんはこれに従わず、マスクを
しないで業務をしていたとのこと。
この管理人さんが働いているマンションの住人から
苦情があったことなどがあり、結局管理会社はこの
管理人さんを解雇したとのことです。
判決は、
と判断しました。
このブログでも何度かお伝えしているとおり、社員
が会社の業務命令に従わないからと言って、直ちに
社員を解雇できるわけではありません。
社員を解雇するためには、
という2つの要件が必要で、この要件を満たしてい
ない解雇は、解雇権の濫用として、法的に「無効」
であるとされるわけです。
まず判決は、マスクを着用しなかったことは就業規
定に違反すると指摘しました。
その上で、住民からの苦情は1件にとどまり、マン
ションで感染が広がった事実もないことから、②の
解雇の社会通念上の相当性がないとして、解雇は無
効と判断しました。
新型コロナウイルス騒動が始まって、人々が常時マ
スクをつけるようになってから、早3年近くが経と
うとしています。
マスクがコロナ感染の防止にどの程度役立つのか、
そうした科学論争はここではおくとして、厚生労働
省は現状でマスクについて次のような態度をとって
います。
すなわち、まず、
とされています。
また、屋内については、
とされています。
つまり、屋内でも距離が確保できてほとんど会話を
しない場合は、マスクは着用しなくても良い、とい
う見解なのです。
それにも関わらず、今でも屋外でも多くの人はマス
クを着用しています。
屋内で、誰も会話をしていないような時でも、マスクをしています。
しかし、例えばマンションの管理人さんの業務は、
ほとんどがマンション内の清掃やゴミ出しといった
仕事で、通常は距離も確保できていて、人と会話を
することもほとんどないでしょう。
このような業務であれば、上記の厚労省の見解によ
っても、原則としてマスクの着用は不要なのです。
そう考えれば、管理会社の解雇は
解雇の社会通念上の相当性がなく無効である
とした大阪地裁の判決は、極めて妥当なものだと思います。
そういえば、先日ある地方のラーメン屋さんに入った時のこと。
お店に入って店員さんに注文すると、店員さんが蚊
の泣くような小さな声で応答します。
なんか変だな〜と思っていましたが、運ばれてきた
ラーメンはとても美味しかったです。
ところが、ラーメンを食べている途中で、店内にこ
のような張り紙をしているのが目に入りました。
って、なんか物々しくてすごいですね。
食べながらの会話は絶対ダメで、退転させられるってことですよね。
ご飯を食べながら話をするって、極めて人間的な行
為に対して、これだけ強烈に(しかもお客様に対し
て)ダメ出しをするとは・・・。
ラーメンは美味しかっただけに、なんかとても残念
な気持ちになってしまいました。
というわけで、
今日のポイントは
ということです。
ノーマスクを理由とする解雇が社会通念上の相当性
があるかどうかは、あくまでケースバイケースではありますね。
ただ、今の社会はあまりにもマスクに対して過剰す
ぎる部分があって、息苦しい面もありますね。
厚生労働省も見解を出していることですし、もう少
しその辺が寛容な社会になっても良いのではないか、と思います。
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今回は、駐車場に持ち主不明の自動車が長期間放置されている、という場合に、この放置車両を撤去するにはどうしたらよいか?というテーマでお話ししています。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。