ホームページやロゴ
バナー画像などの製作を
外部のデザイナーに委託。
しかし
できあがった製作物について
「お金を払ったんだから自由に変更できる」
と思っていたら
トラブルに。
今回は
見落とされがちな「著作者人格権」
についてお話しします。

(今日の「棒人間」 著作物の改変??)
<毎日更新1849日目>
都内でWeb制作会社を営むA社長のお話し。
A社長の会社で
外部のデザイナーに
クライアント向けのWebデザイン素材を
依頼しました。
素材の納品後
A社長の会社では
クライアントの要望に合わせてバナーの
色の変更やキャッチコピーの修正
画像のトリミングなどを行いました。
ところが
その後しばらく経って
このWebデザイン素材を
依頼した外部デザイナーから

ちょっと、私が作成したデザインを勝手に変えないで下さい!
とクレームが入りました。
しかし
A社長の会社とこの
外部デザイナーとの間の契約書では
このデザイナーが製作した
Webデザイン素材の著作権は
A社長の会社が取得するとの定めがあります。
納得行かないのはA社長。

こんなの、クライアントの都合でデザインを修正したりするのは当たり前ではないですか?
とこの度私にご質問がありました。
実はこれ
「著作者人格権」といわれる問題です。
ここで
「著作権」というのは
簡単に言えば
「著作物」を創作した人(著作権者)に与えられる、自分が創作した著作物を無断でコピーされたり、インターネット上で利用されない権利
のことを言います。
別の角度から言うと
「著作権」というのは
「著作物を利用して利益を得る権利」
ということができます。
そして
著作権は
もともと製作した人が取得しますが
契約によって他に譲渡することが
可能であるとされています。
他方で
「著作者人格権」というのは
簡単に言えば「著作物に対する作者の
人格的利益を守る権利」
のことを意味します。
具体的には
自分が製作した著作物について
その意に反して勝手に改変
したりされない権利ということが
できるでしょう。
いわば
「作者としての気持ちや名誉を守る権利」
という性質を持っています。
そして
「著作権」とは異なり
この「著作者人格権」は著作物を
製作した人に残り
契約などで他に譲渡できない権利
とされているのです。
上記の事例で
A社長の立場からすると

自分がお金を払って製作を委託したんだから、成果物をどうしようがこっちの自由でしょ?
という発想になるのもある意味当然でしょう。
ただ
実際に著作物を作った人の立場からすると
やはり自分が作った
製作物(作品)は自分の分身
という感覚があったりします。
こうした感覚を守るのが
「著作者人格権」という権利なわけです。
さて
それでは
上記のA社長の会社のようなトラブルを
予防するにはどうしたら良いのでしょうか?
製作を委託するA社長の
会社の立場からすれば
やはり必要に応じて製作物について
ロゴの色を変更するとか
写真のトリミングを行ったり
動画を編集したり
AIで加工したりと
一定の改変を行う必要がある
場合が出てきます。
しかし
上記のように勝手にそれらを行えば
製作者の「著作者人格権」を
侵害することになる。
しかも
「著作者人格権」は「著作権」とは違い
契約で製作者から委託者に
移転させることもできません。
そこで
実務においては
契約書の中で
「著作権」を制作者から委託者に
譲渡する取り決めを行うだけではなく
という条項を入れて
おくことが多いです。
こうしておけば
「著作者人格権」自体は
あくまで著作者に残りますが
著作者はその「著作者人格権」を行使しない
と約束していることになります。
ですから
委託者側が行う製作物の改変などについては
基本的に「NO」と言えなくなる
ということになります。
このように
製作物を委託する場合などに
「著作権」の移転の取り決めだけではなく
「著作者人格権」を行使しないという
取り決めも忘れずにしておく必要があります。
「著作者人格権」をめぐる
トラブルを予防するためには
こうした契約書に不備がないかどうか
をチェックする必要があります。
もし
契約書の内容に不安があるという場合は
弁護士に相談することをお勧めします。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。