「飛鳥交通」タクシーで
運転手の歩合給引き下げが無効とされ
会社に約5060万円の支払いが命じられました。
就業規則を変更すれば給料を下げられる。
そんな思い込み
大きな法的リスクに
つながることがあります。

(今日の「棒人間」 給料カット??)
<毎日更新1914日目>

賃金の引き下げは無効!
5060万円払いなさい!
首都圏でタクシー事業を展開する
「飛鳥交通グループ」
この会社に所属する運転手の
歩合給を下げたのは違法だとして
運転手133人がグループ3社を相手に提訴。
東京地裁は
「引き下げ」は無効と判断し
運転手側が求めた未払い賃金の全額
にあたる合計約5060万円の支払いを
命じたとの報道がありました。
タクシー運転手の歩合給カットは無効 飛鳥交通に5千万円支払い命令
報道によると
国土交通省は
2022年11月に
東京23区と武蔵野市
三鷹市のタクシー運賃を引き上げ
これに伴い
上記の3社は初乗り運賃などを
値上げしました。
その際
この3社は就業規則を変更し
会社側は運転手の歩合級の
計算率を引き上げたとのこと。
具体的には
賃金の計算方法に関し
月の営業収入に0・9585を
掛けるなどの変更を行なったそうです。
裁判の中で
会社側は
と主張していたそうです。
しかし
判決では
変更前の計算率による賃金との差額が
月額10万円を超える人もいるとして
この会社の賃金引き下げは就業規則の
不利益変更であると判断しました。
さらに
会社側は、賃金の計算率変更の必要性や
相当性を具体的に説明しておらず
労使交渉にも誠実に
応じなかったと指摘。
歩合給の引き下げは労働契約法に反し
無効だと結論づけました。
今回のように
社員の同意がないにもかかわらず
会社が賃金を減額できるのかどうか?
これは
結構質問されることの
多いポイントです。
この点
社員の労働条件は
会社と社員との合意
すなわち労働契約に基づいて
決定されるのが原則です。
そこで
労働条件を変更するという場合も
会社と社員との合意に基づいて
行われるのが原則となります。
社員の給料の金額も
これは労働条件という
ことになりますので
会社が一方的に社員の給料を減額する
ということはできません。
それは一種の
ということになってしまいます。
ただし
労働契約法という法律で
例外的に社員の同意がなくても会社が
労働条件を変更できる場合が
定められています。
すなわち
もし給料などの労働条件が会社の就業規則
で定められている場合で
の2つの要件を満たす場合には
就業規則を変更して労働条件を
変えることができます。
そして
2の「就業規則の変更が合理的であること」
の要件は
具体的には
に照らして合理的かどうかが判断されます。
それでは
これについて
上記のタクシー会社の
事例で考えてみましょう。
上記のとおり
裁判所は
変更前の計算率による
賃金との差額が月額10万円を超える
人もいるということで
「①社員の受ける不利益の程度」
は大きいと判断しています。
さらに
会社側からは
「②労働条件の変更の必要性」や
「③変更後の就業規則の内容の相当性」に
関する具体的な説明もなかった。
また
会社側は労使交渉に誠実に
応じなかったということですので
「④労働組合等との交渉の状況その他
の就業規則の変更に係る事情」
を考慮しても
就業規則の変更の合理性を
裏付けることはできない
ということになります。
給料というものは
社員の労働契約の中でも
社員の生活に関わる非常に重要な要素です。
ですから
いやしくも会社が社員の給与を
下げるという場合には
かなりハードルは高いと
言えるでしょう。
しかも
変更の内容の合理性だけではなく
会社がきちんと必要性や相当性の説明をし
交渉にも応じるなど
会社の誠実性も重要なポイントになります。
契約内容を相手に不利に
変更するということですから
やはり当事者としての誠意が
問われるのは当然でしょうね。
こうしたプロセスをきちんと踏む
ということは忘れては
ならないでしょうね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。