元世界チャンピオン・薬師寺保栄氏が
有印私文書偽造・同行使の罪で立件
されたというニュースが話題になりました。
有印私文書偽造というと
他人事のように思えますが
実は中小企業でも
社長が何気なくやってしまいがちな
行為が犯罪につながることがあります。

(今日の「棒人間」 書類を偽造する人??)
<毎日更新1921日目>
ボクシングの元世界バンタム級
世界チャンピオンの薬師寺保栄氏。
1990年代のボクシングブームの
立役者のひとりで
あの「辰吉vs薬師寺」戦は
あまりにも有名です。
当時学生だった私も
テレビの前で手に汗握って
観戦したものです。
その薬師寺氏が
有印私文書偽造・同行使の罪に問われ
て立件されたとの報道がありました。
ボクシング元世界王者、薬師寺氏に懲役1年求刑 養子縁組届偽造の罪
いったい何事かと思ってみると
その内容も結構ビックリ。
報道によると
離婚協議中だった薬師寺氏は
妻との離婚協議がまとまらず
なんと交際中だった女性を
自分たち夫婦の養子にすることを画策。
薬師寺氏は
自分の財産をこの女性に相続させるために
養子にしようとしたとのこと。
そして
養母の署名押印欄に
当時の妻の名前を書き
印鑑を押して養子縁組届を偽造した上
役所に提出したとのことです。
なかなか凄いことを考えるものですね。
検察側は
この薬師寺氏の行為を
と批判し
懲役1年を求刑したとのことです。
今回問題となった
刑法上の有印私文書偽造罪とは
簡単に言えば
本人が作ったように見せかけて
勝手に文書を作ることを意味します。
上記の例で言えば
養子縁組の届出書の養母欄に
薬師寺氏の元妻の名前を
勝手に書いて印鑑も押す。
そうすると
この養子縁組届出書は
あたかも元妻が作ったように見えますが
実は薬師寺氏が承諾を得ないで
勝手に作った文書
ということになるわけです。
実はこの「有印私文書偽造」
中小企業の現場でも意外に安易に
行われていることがあります。
製造業を営む会社を経営するA社長。
ある日
銀行へ提出する融資申込書の
提出期限が迫っていました。
申込書には
資金繰り表を作成した
経理担当者Xさん本人が
内容を確認したことを示す
署名欄がありました。
しかし
その日はXさんが取引先へ外出しており
夕方まで戻る予定はありません。
銀行からは
「今日中に提出していただければ
来週には融資審査に入れます。」
と言われていたため
A社長は焦ります。
そこでA社長は
「内容はX自身が作った資料だし
あとで説明すれば問題ない。」と考え
Bさんの名前を代筆して
銀行へ提出しました。
ところが、それを後から知ったXさん。
A社長に勝手に名前を書かれた
ことに納得がいかず
A社長を問い詰めます。
しかし
A社長は
と
悪びれる様子もなし。
怒りが収まらないXさんは
有印私文書偽造及び行使で
警察に相談するとともに
A社長に対する損害賠償請求も
検討し始めたのです。
刑法上の有印私文書偽造及び
行使罪が成立すれば
という罰則が定められています。
さらに
民事上も
不法行為となり
損害賠償義務が発生する
可能性があります。
上記の事例では
A社長は社員であるX氏を
だますつもりはありませんでした。
もちろん
銀行からお金をだまし取ろう
という意思もありません。
ただ
「会社のためだから大丈夫」という軽い
気持ちでX氏の名前を書いてしまいました。
しかし
その何気ない行為が
社員との信頼関係を壊し
刑事・民事トラブルへと
発展する可能性があります。
どの場面においても
基本的に勝手に他人の名前を書類に書く
ということはやってはいけません。
1994年12月に行われた
あの「辰吉VS薬師寺戦」の
激闘を制した薬師寺氏。
その後の人生はいろいろと
紆余曲折あるようですが
今回の件を教訓として
今後またボクシング界に貢献する姿を
見せてくれればと思います。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。