詐欺の被害者を集めて食い物にする
依頼者から預かったお金を横領する。
最近、また弁護士の
「不祥事」が後をたちません。
私も含めて
これまでの弁護士は「営業」
に対する認識が甘かった
これが1つの原因なのでは
ないかと思っています。
(今日の「棒人間」 楽して儲かる人??)
<毎日更新1229日目>
国際ロマンス詐欺って
聞いたことありますか?
外国人を装い
SNSを通じて被害者に接近して一定期間交流。
恋愛感情や親近感を抱かせて金をだまし取ったり
一緒に投資をやろうと誘って金を
だまし取ったりする詐欺のこと言うそうです。
少し前から
この国際ロマンス詐欺の被害が
多発していると言われています。
それに関して
私の所属する東京弁護士会で
と題する文書を公表しています。
東京弁護士会 国際ロマンス詐欺案件を取り扱う弁護士業務広告の注意点
それによると国際ロマンス詐欺案件を
取り扱うとする弁護士のウェブ上の
弁護士業務広告の中には
弁護士法や弁護士職務基本規程などに
違反するおそれのある広告が散見される
とのことです。
実際
こういった国際ロマンス詐欺等の案件について
被害金の回収はかなり難しいにも関わらず
などと
被害者が誤認するような内容の
広告を出して被害者を集める。
そして
実際に案件を受任する際も
弁護士が行う事情聴取や
弁護士報酬などの説明の多くを
弁護士資格のない事務職員に行わせる。
さらに
事件処理の労力や回収可能性に
見合わないおそれのある高額な
着手金を提示するなど
さまざまな問題点が指摘されています。
要するに
国際ロマンス詐欺にあった被害者を
さらに食い物にするような弁護士の
不祥事が多発しており
被害者が弁護士によっていわゆる
「二次被害」に遭っている
と言うわけです。
その上
さらに驚くべきことは
こうした詐欺まがいの弁護士業務を
結構著名なベテラン弁護士
までが手を染めており
懲戒請求を受けたりしている
という事実です。
こうした事件に限らず
依頼者から預かった多額のお金を横領するなど
弁護士による不祥事が多くなっています。
こうした事件が起きる背景には
食えない弁護士が増えたから
と言われることがあります。
確かに
2000年代に始まった司法制度改革により
弁護士の数は激増しました。
私が弁護士になった2004年当時
日本全国で弁護士は
約2万人あまりでしたが
現在は4万5000人を超えており
この20年で弁護士の数は
急激に増えています。
しかも
そのかなりの数が
東京や大阪など大都市圏に集中。
必然的に
特に都心部を中心に
弁護士の業界も競争が
激化していることは事実です。
先日
私はとある顧問先の社長と
話をしていたとき
その社長から
弁護士というのは、なるのに試験もあるし、結構大変なお仕事の割に、あまり経済的には報われませんな。
という趣旨のことを言われました。
よくお分かりで
という感じです。
今の時代も
相変わらず「弁護士は儲かるんでしょ?」
という目で見られることが多いですので。
その上
不幸なのは
私も含めて
それより上の世代の弁護士は
競争が激化して経済的に
厳しくなったからといって
営業の仕方を知りません。
弁護士が今のように増える前は
要するに営業などしなくても
十分に食べていけた時代だったのです。
私も、若い頃
営業など習ったこともなければ
自分で勉強したこともありませんでした。
しかし、一歩
目を弁護士業界の外に転じてみれば
どの業界も仕事をするにあたって
「営業」をするのは当たり前です。
私自身
昔は「営業」といえば
口八丁で相手をうまく言いくるめたり
強引に商品を買うことを勧めるなどの
ネガティブなイメージがありました。
アメリカの映画などでは
弁護士が交通事故で救急車で
運ばれた被害者の後を追っかけて行って
病院で「加害者を訴えましょう」と言って
営業するシーンなどが出てきますが
あんなイメージですね。
しかし
そうした営業のイメージは
間違っていますし
発想が貧困ですね。
営業とは、本来
自分の商品なりサービスによって
どのように社会の発展に貢献していけるか?
自分の商品やサービスを
必要としている人にそれを届けて
どれだけ人のお役に立ち
救うことができるか?
こういうことを探求する
営みに他なりません。
営業努力をする
ということは
当然社会のニーズや
お客様の動向を深く探求
することを意味します。
そして
そうした営業努力の過程で
自分自身も大きく成長することができます。
そういう意味で
弁護士も営業努力を
することが欠かせません。
当たり前ですが
「楽して儲かる」仕事はないのです。
経済的に行き詰まり
不正に手を染める弁護士が
営業努力を怠っていたのかどうかは
私は知りません。
しかし
業界全体として
やはり「営業」というものの
大切さに対する認識は
私も含めて鈍かったと
言わざるを得ないでしょう。
若くて優秀な人から
弁護士は食えない
弁護士は割に合わない仕事だと言われて
敬遠されるのが
私は残念でなりません。
それは
私たちロートルの弁護士が
今の若い人たちに
「弁護士は夢のある仕事だ」という
ビジョンをしっかりと示すことが
できていないからでしょう。
私はあきらめられません。
もう一度
弁護士が若い人から
憧れられる職業にしたい。
そのためには
まず自分自身が
もっともっとこの仕事で成果を
上げなければならないでしょう。
そんなわけで
若い頃に「営業努力」を怠って
歳を食ってしまった私も
よわい50歳を過ぎて
営業の勉強に勤しんでいます。
昨日は
私のブログの師匠である板坂裕治郎さんの主催する
異端児エリート養成大学校3年生の授業が
オンライン(zoom)でありました。
営業センスがなく
出来の悪い私は
毎回師匠からコッテリとしぼられています。
心が折れそうになることもありますが
私はあきらめません。
老骨にムチ打って
きっともう一花
二花咲かせて見せましょう。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。