下請法により
合理的理由のない値引きや
発注時に定めた代金額を親事業者が
減額すること禁止しています。
下請法違反は
企業にとって大きなリスクがあります。
(今日の「棒人間」 その値引きはNG?)
<毎日更新1232日目>
公正取引委員会が
パルシステム生活協同組合連合会に対して
下請法違反の「勧告」を行なった
というニュースがありました。
報道によると
パルシステムは
2023年4月から2024年6月までの間
セール時に下請け企業4社に対し
値引き分の一部を負担させるなどして
支払代金から合計約1340万円を
不当に減額したとのこと。
さらに
別の1社に対しては
契約上支払う必要がないにもかかわらず
物流センターの利用料名目として
約1430万円を支払代金から
差し引いていたとのことです。
このため
公正取引委員会が
パルシステムに対して再発防止を勧告。
パルシステムでは
減額した合計約2770万円をすでに
下請け企業に対して返還した
とのことです。
この点
下請法では
元請など親事業者が
下請け企業に責任がある場合を除き
当事者間の合意があっても
発注後に代金から減額
することを禁止しています。
本来は
「契約自由の原則」というものがあり
契約内容は当事者で自由に決めてよい
という大原則があります。
ですから
発注後の代金の値引きも
あくまで当事者の
合意(契約)があれば
合法なはずです。
ところが
実際には
会社には
規模の大小などで力の優劣関係が
存在するのが現実です。
そうなると
下請け業社などは
理不尽な要求であっても
元請など親事業者から要求されると
事実上従わざるを得ない立場にあります。
そこで
下請法は
この契約自由の原則を修正し
下請け事業者を保護するために
作られた法律です。
すなわち
元請など親事業者に対して
合理的理由のない値引き
発注後の代金減額などを
禁止しているわけです。
ちなみに
禁止されるのは
ストレートに値引きを要求する
行為だけではありません。
上記のパルシステムのように
セールの値引き分だとか
契約上にない倉庫の利用料などなど
実質的に値引きになる
行為も禁止されています。
下請法が
ある程度強制力というか
それなりに効果がある法律だと思うのは
違反した場合の効果についてです。
すなわち
親事業者が下請法に違反し
不当な代金減額などを行なった場合には
上記のとおり
公正取引委員会は
再発防止などを勧告することができます。
さらに
公正取引委員会は
必要があると認めた場合には,
元請けに対して報告を
求めたり
事業所への立入検査
なども行えることに
なっています。
そして
その際に元請けが
虚偽の報告をしたり
検査を拒んだりした場合には
という罰則も
定められています。
そして
注目すべきことは
公正取引委員会では
毎年下請法違反事業者の
勧告事例を公表している
ということです。
すなわち
下請法違反で勧告を受けた企業は
企業名を公表されてしまうことになり
世間の信頼を失うリスクがある
ということです。
上記のパルシステムでは
とのコメントを発表しているそうです。
企業のコンプライアンス違反に
厳しくなっている昨今
この下請法の規制にも注意したいものです。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。