住宅建築の依頼を受けて着工したものの
その後も追加工事や仕様変更などの
依頼でその分代金は上乗せに。
住宅が完成して
いざ支払いの段になり
施主から
「そんなに高いなんて聞いてない」
と支払いを拒否されました。
こうした追加工事のトラブルを
予防するには?
(今日の「棒人間」 聞いてない人??)
<毎日更新1276日目>
えええ、総額がこんなに高いなんて、契約書の金額と違うじゃないか!
いやいや、オタクの奥様からいろいろと仕様の変更や追加工事の注文を受けまして。
オレ、そんなの聞いてない。払わん!絶対に払わないぞ!
とある工務店が
顧客から住宅建築の依頼を
受けて受注しました。
契約時には
しっかりと契約書を作成し
代金や納期などもきちんと
決めた上で工事を着工。
ちなみに
契約書調印時はお客様
ご夫婦でお見えになって
夫の方が契約書にサインしました。
ただ、その後に
奥様の方から
いろいろ内装の仕様を
変更して欲しいとか
追加であれこれせってして欲しい
というご要望をいただきました。
そこで
工務店のA社長は
その都度見積もりを作成して奥様に
提示て了承をいただいたので
奥様の希望通りの追加工事
などを行いました。
そのため
当初の代金額よりも
数百万円金額が高く
なってしまいました。
住宅が無事に完成し
いよいよお支払い
という段になって
トラブルが発生しています。
代金額の支払い請求を
受けた夫の方は、
と怒り出す始末。
A社長は
奥様からいろいろと追加注文などを
受けたことを説明しますが
夫は納得しません。
の一点張りです。
納得の行かなかったA社長は
結局この顧客に対して
追加工事代金分を請求する
ために裁判を起こします。
1年近くかかった裁判では
A社長の言い分も
一部認められましたが
追加工事分全額の請求は
結局認められず
回収できずに終わりました。
裁判に時間もお金も費やした挙句
追加工事分を全額回収できず
A社長はすっかり疲弊してしまいました。
工務店や建設関係で
この追加工事をめぐるトラブル
というのは結構よく見聞きする話です。
住宅でもなんでも
工事に一定の期間を
要するものですから
その間に顧客の考えが変わったり
新しい希望が出てきたり
することは十分考えらえます。
ですから
工事の途中で一部の仕様変更や
追加工事の依頼を受けることも
めずらしくないでしょう。
ところが
この途中でいただく
追加工事等のご依頼が
結構トラブルの元になるのです。
だいたい多いパターンは
1つ1つの追加工事や仕様変更は
それほど金額が大きくないことが多い。
そうすると
実際問題として
その度に一々契約書を作り直して
代金額を変更するのは面倒ですし
現実的でもありません。
それで
ついつい追加工事分の
見積書を顧客に見せて
その場で口頭で承諾を得て
それですましてしまう。
これが
後々トラブルのタネになりかねません。
それともう1つ。
上記のA社長の事例では
契約書に調印した当事者は
あくまで夫です。
ところが
妻がその後実際に現場であれこれA社長に
対して追加工事の注文を行なっている。
実は
夫婦の「日常家事債務」
という概念があって
たとえば夫婦の生活に使用する
日用品の買い物などは
どちらの名義で契約
したかにかかわらず
夫婦双方が支払い義務を負う
というものがあります。
しかし
追加工事で数百万円に
及ぶようなものは
さすがに「日常家事債務」の
範疇から外れますので
仮に妻が勝手に契約
したものについて
夫に支払えとは言いにくくなります。
そこで
上記の例のように
夫の方が知ってか知らずか
ということになって
しまったわけです。
それでは
こうした追加工事をめぐる
トラブルを予防するには
どうしたら良いのでしょうか?
まず
面倒でも追加工事をめぐる
合意書なりなんなり
一応の書面を作って
おくべきだと考えます。
ただし
上記のとおり
追加工事の依頼がある度に
一々契約書を作り直す
までの必要はありません。
簡単な合意書や覚書の形で構いませんので
追加工事の依頼を受けた日
追加工事の内容(なるべく具体的に)
納期、追加の代金の金額などを記載し
お客様の署名と押印をいただいておく。
追加工事のみの合意書を
電子契約書という形で
結んでおくことも可能です。
また
追加工事や仕様変更が
ある程度頻繁にある場合は
一定のタイミングでまとめて
それまでの追加工事に関する
合意書を作成してもよいでしょう。
さらに
上記のA社長のような
トラブルを防ぐためには
契約者が誰なのか
にも注意しなければなりません。
先ほどの例では
契約者はあくまで夫ですので
追加工事の合意書や覚書も
必ず夫のサインをもらう
ようにすることが必要です。
それだけやっておけば
後になって
なんて
言えなくなりますからね。
追加工事をめぐるトラブルは
ついこういった手間を惜しむ
ことによって発生したりします。
しかし
そうなると
上記のA社長の事例のように
最悪は顧客との間で「裁判沙汰」に
陥る危険もあります。
この点
私のミッションは
というもの。
追加工事をめぐる
「裁判沙汰」を予防するためにも
こうした手間を惜しまず
何らかの書面を作って
おくべきだと考えます。
あらかじめ
追加工事用の合意書や覚書の
ひな方を作っておくと効果的です。
こうした書面の作り方が
よくわからない
という方は
弁護士に相談してください。
◼️「裁判沙汰」を予防する、契約書作成・リーガルチェックサービス
さてさて
最近では
工務店などでもこうした顧客との
トラブルの事案が増えています。
顧客によるカスタマーハラスメント
カスハラ被害もめずらしくありません。
そこで、私の方で
今回、工務店の社長などを
対象にしたカスハラ対策の
セミナーを開催します。
もし興味のある方は
下記よりお申し込みください。
◼️ 11/9 カスハラ被害から会社を守る〜工務店社長のためのカスタマーハラスメント攻略セミナー
それでは
また。
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◾️あなたの会社のトラブルを予防します〜あんしん法務ガード(顧問契約)
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。