「裁判しないで解決」する建設業・不動産業を多く扱う
渋谷の弁護士吉田悌一郎

中途解約、一切返金しない合意と消費者契約法

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お客さん側の事情による中途解約の場合

支払われた代金全額の返金

には応じられません。

 

 

パーソナルジムや学習塾

セミナーなどでこうした契約条項が

入っていることがあります。

 

 

しかし

こうした条項は

 

 

消費者契約法違反で無効

となるリスクがあります。

 

(今日の「棒人間」 返金不可ってどうなの??)

 

<毎日更新1352」日目>

「一切返金には応じない」という合意は有効??

先日

 

 

都内でパーソナルジムを

経営しているAさんから

ご相談を受けました。

 

 

Aさんのジムでは

 

 

期間6ヶ月

48回で金額が30万円という

プランの商品があります。

 

 

お客さんとの間で契約書を

ちゃんと作っています。

 

 

その契約書の中に

代金の30万円は先払いで

 

 

もしお客さん側の都合で

中途解約する場合には

 

 

支払ったお金は全額返金できない

というもの。

 

 

先日

Aさんはお客さんとちょっとした

トラブルになったそうです。

うちのお客さんで、契約して2〜3回くらい通っていたのですが、急に解約したいと言われたんです。

なるほど、解約の理由はなんですか?

こちらに落ち度はないと思いますが、そのお客さん、えらく神経質な人で、どうもうちの教え方が気に入らなかったようなんです。

なるほど、そういうケースはあり得ますね。

それで、そのお客さんから、中途解約だから、まだレッスンを受けていない分の代金は返還してほしいと言ってきたんです。

なるほど。

しかし、うちとしては、最初に契約書を交わしていて、お客さん側の事情による中途解約の場合は、お支払いいただいた代金は一切返金しませんと書かれているのです。

そうですか。

だから、そんなお客さんの要求に応じてお金を返す必要はないと思うんですが、いかがでしょう?

そうですね、実は消費者契約法という法律がありまして、解約に伴って平均的に生じる損害を超える金額を、事業者はとってはいけないという規制があるのですよ。

消費者契約法ですか?

そうなんです。ですから、実際のお客さんの利用回数に関わらず、中途解約の場合は一切返金しないという契約書の条項は、この消費者契約法に違反して無効とされる可能性が高いと考えますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

消費者契約法に注意

 

お客さん側の事情による中途解約の場合

支払ったお金は一切返金しません。

 

 

こういう取り決めって

 

 

パーソナルジムとか

学習塾やセミナー業界などで

多く見られますね。

 

 

こうした条項を置いておけば

こうしたサービスを

提供する側からすれば

 

 

安易な中途解約をさせない

抑止力になります。

 

 

ただ

お客さんの側からすると

 

 

それだけ契約の拘束力に強く

縛られることを意味します。

 

 

注意しなければならないのは

こういう業界は

BtoC

 

 

つまり個人のお客さんを

相手にビジネスをしている

という点です。

 

 

個人と

事業者との間の契約には

 

 

「消費者契約法」という法律が

適用されます。

 

 

「消費者契約法」は

 

 

事業者と個人との間では

情報の質や量

そして交渉力に格差があります。

 

 

そこで

消費者(個人)の利益を守るために

 

 

事業者の行為に一定の規制を

かけているのが

この「消費者契約法」というわけです。

 

 

 

 

 

 

せっかく契約書に定めても無効となる場合

そして

消費者契約法9条1項では

契約の中で

当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの

に当たる部分は無効

であるとされています。

 

 

上記のパーソナルジムの例でも

中途解約の場合は

返金しないという合意は

 

 

この「解除に伴う損が賠償の額を予定」や

「違約金を定める条項」に

当たると考えられます。

 

 

そして

お客さんの利用状況に関わらず

一切返金しないとすると

 

 

「解除に伴い事業者に生ずべき

平均的な損害を超える」

と判断されるでしょう。

 

 

ですから

この場合は

 

 

やはりお客さんの利用状況に応じて

返金をせざるを得ないでしょう。

 

 

具体的には

 

 

お客さんが支払った代金額のうち

すでに提供されたサービスの対価

(つまり、すでに利用した部分)

 

 

を差し引いた残額を返還する

というのが一般的な解決法かと考えます。

 

 

こんな風に

BtoCのビジネスは

時としてこの「消費者契約法」が

ネックとなる場合があります。

 

 

したがって

個人のお客さんを対象にする場合には

 

 

この「消費者契約法」の概要は

知っておいた方が良いでしょうね。

 

 

このブログでも

今後また折りに触れて

取り上げてみたいと思います。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

 

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今回は「社員への賠償請求、給料からの「天引き」は可能か?」というテーマでお話ししています。

 

 

 

活動ダイジェスト

昨日は、午前中から事務所へ。午前中は担当している調停の電話会議による期日でした。いちいち裁判所に行かなくても良いことが多くなったので助かります。東京簡裁は行くとなると錦糸町ですので、それだけで半日潰れますからね。
午後も事務所で仕事。新規のお客様のオンライン法律相談などでした。
夜は夕食を担当。メインはトマトと豚肉の炒め物でした。

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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