
会社が暴排条項などで
反社と関わるリスク対策をしていても
自社の社員が副業などで反社と
取引をしてしまう可能性があります。
社員が反社と関われば
やはり会社の信用が傷つけられる
など被害が及びます。
社員が反社と関わるのを
防止するためには
どのような対策が必要でしょうか?
(今日の「棒人間」 怪しい副業??)
<毎日更新1436日目>
ここ数日連載で
会社が反社と関わることの
リスクについて書いています。
まず
会社の反社リスクを予防するために
定めるべき契約書の「暴排条項」について。
さらに
もし「暴排条項」がなかった場合の
反社との関係を解消する方法について。
今の時代
会社が「反社」と関わることは
自社のブランド価値や信用に致命的な
ダメージを受けることになります。
ですから
会社として
いかに「反社」と関わりを
持たないように注意するか。
また
万が一
「反社」と取引をしてしまった場合
なるべく早く「反社」との
取引関係を解消するか
といったことが重要になります。
ところが
もう1つ重要な視点として
自社の社員が副業などで「反社」と
取引を行ってしまうリスクがあります。
たとえば
建設会社などで
社員が副業として
別の建設会社との間で建設業務の
下請契約を締結した場合
実はその建設会社(元請け)が
反社であることが判明したような場合です。
たとえ副業であれ
自社の社員が「反社」と
関わりを持つことは
会社のコンプライアンス上
問題になってきます。
また
会社の信用など
レピテーションリスクの低下の
問題も出てくるでしょう。
そもそも
会社が社員の副業を制限
できるかというと
それがそう簡単ではありません。
基本的に
勤務時間以外の時間は
社員の自由時間であり
その時間をどう過ごすかは
社員の自由です。
ですから
会社が社員の副業を一切
禁止するようなことは
できないとされています。
とは言え
社員にまったく自由に副業をやられると
会社に損害が発生したり
いろいろな弊害が出てくる
場合があり得ます。
そこで
裁判例では
社員の副業について
会社の許可制にすることは
許されるとされています。
ただ
許可制とは言っても
何らの弊害がないにも拘らず
会社が副業を許可しないなど
会社のまったくの自由裁量が
許されるわけではありません。
社員の副業が会社に与える
影響などを考慮して
会社が許可すべきかどうかを
決定すべきとされています。
そして
具体的には
次のような場合には
会社は社員の副業を許可
しないことができる
とされています。
この点
社員が副業で反社と関わるような場合
上記の④に当たると考えて良いでしょう。
そこで
社員の副業は会社の
事前の許可制としておく。
その上で
反社の疑いのある会社と取引を
するような副業を許可しない
という運用を行うことが可能になります。
とは言え
いくら事前許可制にするとは言っても
社員の副業のすべてについて
事前に「反社」と関わりが
あるかどうかを会社が見抜く
というのは現実的に難しいでしょう。
そこで
あらかじめ会社の就業規則において
社員が副業を行う際に
「反社」と関係を持つことを
禁止する条項を設けておく
という方法があります。
さらに
社員が入社する際
あるいは実際に副業を行う際に
やはり「反社」と関わりを持たない
という誓約書を書いてもらう
という方法もあります。
その上で
社員に対しては
反社と関係を持たないように注意する
内容の研修を行うなどの啓蒙活動を
実施するなどの方法もあります。
こうした対策によって
副業を行う社員自身にも
反社と関わりを持つことのリスクを
自覚してもらうという
効果も期待できます。
いくら暴排条項などによって
会社が反社と関わりを持たない
ように気をつけていても
社員が副業で反社と関わってしまっては
それによって会社の信用などが
傷つけられてしまいます。
社員が反社と関わりを
持たないようにする対策も
会社としては考えておく
必要があるでしょう。
それでは
今日のダジャレを1つ。
副業が福を呼ぶと思ったら、反社と関わって複雑なことに・・・
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
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中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。