「社内の誰かが
無料のAIを使っていただけ」
それだけで
自社の技術やノウハウが
競合に渡るとしたら
どう感じるでしょうか。
実は今
気づかぬうちに会社を危機にさらす
「シャドーAI」が問題になっています。

(今日の「棒人間」 AIで大切な情報が流出??)
<毎日更新1723日目>
ある精密機械メーカーのA社。
A社の広報部の若手社員であるXさんは
同社で来月発表予定の次世代小型モーターの
「ライトニングZ」の広告用の動画を
手がけていました。
この動画を
短期間で予算をかけずに
作らなければならないそうで
Xさんは頭を悩ませていました。
そんなとき
XさんはAIの無料動画作成の
ツールを使おうと思い立ちます。
そして
Xさんは会社に内緒で
海外製のAI(無料版)を使って
「ライトニングZ」の
開発図面(データ)と
詳細なスペック表を参考資料
としてAIに読み込ませました。
その結果
AIによって見事な広告動画が
出来上がりました。
それから3週間後
新製品の発表を10日後に控えた朝
A社に衝撃が走ります。
海外の競合メーカーが
「ライトニングZ」と
瓜二つのコンセプト
かつ同じ特性を持つ製品を
「業界初の新発明」として
大々的に発表したのです。
A社の社長は激怒し
社内は大混乱に陥りました。
ちなみに
A社のサーバーへの不正アクセス
などの形跡はありませんでした。
この件について
専門の調査機関が動いた結果
意外な事実が判明します。
競合他社の開発チームが
Xさんが使ったのと同じAIの
有料版(ビジネスプラン)を使い
「小型モーターの次世代構造について
最も効率的なアイデアを出して」
とプロンプトを入力していました。
AIは
学習データの中にあった
「Xさんがアップロードした図面」を
「最高に効率的な回答例」として認識。
競合他社の画面に
A社の作成した設計図が
「AIの提案」として表示
されてしまったのです。
この結果
A社が「ライトニングZ」にかけた
数億円の開発費は泡と消え
A社は取引先からの信頼も失い
倒産の危機に直面してしまいました。
一般に
企業が公式に承認・管理
していないAIツールやサービスを
社員が業務で独自に利用することを
「シャドーAI」と言います。
「シャドーAI」の恐ろしさは
単なる情報漏洩とは違い
情報の「不可逆性」にある
と言われています。
これは
どういうことかと言うと
無料版のAIに入力されたデータは
多くの場合そのAIの
「再学習」に利用されます。
一度入力されたものは
消すことができません。
そして
仮に自社の未発表技術や
顧客情報などを入力すると
世界中の誰かがAIに
質問した際の「回答」として
自社の機密情報が引用される
リスクがあります。
しかも
AIの性能は日々進化していて
「断片的な情報」からでも
企業名やプロジェクト名が
特定される精度に達しています。
このように
自社の技術やノウハウ
顧客情報などをAIに入力し
それが学習に使われてしまうと
会社は非常に大きな損失を
被る可能性があります。
しかし
シャドーAIがもたらす会社の
リスクはそれだけではありません。
単なる社員のシャドーAIであっても
それによって会社が下記のような
法的責任を問われることがあります。
多くの会社同士の契約取引には
お互いの企業の秘密情報を
許可なく第三者に漏らしてなならない
という秘密保持条項(NDA)が
定められています。
しかし
AIなどの外部サービスにそうした
取引先の秘密情報を入力すると
多くの場合それは
「第三者への開示」とみなされます。
したがって
取引相手との関係では
それは重大な契約違反となり
取引先からの契約解除や
多額の損害賠償請求を受ける
リスクがあります。
さらに
顧客の名簿や
「個人が特定できる内容」を
AIに読み込ませることは
本人の同意のない「目的外利用」や
「第三者提供」に当たる
可能性が高い行為です。
これはまさに
個人情報保護法違反ということで
個人情報保護委員会から
是正勧告を受けたり
企業名が公表されるリスクがあります。
そうなってしまうと
企業の信頼やブランドイメージが
失墜してしまう
というリスクがあるわけです。
以上のとおり
単に社員が業務を効率化する
ためにシャドーAIを犯してしまう。
しかし
会社にとってそれがもたらす
リスクは計り知れません。
そこで
こうしたシャドーAIがもたらす
トラブルや「裁判沙汰」を
予防するために
会社はどのような対策を
講じたら良いのでしょうか?
この辺は
長くなりましたので
また明日お話しします。
それでは
また。
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昨日は、早朝に5キロほどランニング。少しずつ調子が戻ってきました。
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Profile
中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。