水増し請求を行い
会社に1300万円の損失を
負わせた社員。
「当然、懲戒解雇でしょ」
と思いがちですが
実は社員の懲戒解雇には
慎重な判断が必要です。
10月に入りましたので
毎月恒例の先月(9月)の人気記事ベスト3
ということでお届けします。

(今日の「棒人間」 9月のイメージ)
<毎日更新1978日目>
目次
まず
第3位の記事はコチラ
「まんじゅうや」「だんごさん」は無効票? 「伝わるはず」が裁判沙汰を招く理由

茨城県の神栖市の市長の選挙で
わずか「2票」で当選がひっくり返る
というニュースを覚えておられるでしょうか?
昨年11月に行われた選挙で、
対立候補者である木内敏之氏と
石田進氏の得票数が
なんと1万6724票対1万6724票で
まったくの同数であったとのこと。
ところが
その後石田氏側から異議申し立てが出され
茨城県選挙管理委員会が
表を再点検したところ
この2票が問題とされました。

実は
木内氏の親族は
市内でまんじゅうや団子を扱う老舗の
和菓子製造会社を経営しているとのこと。
そこで
果たしてこの2票は
木内氏への投票として有効か
どうかが争われました。
結果的に
この2票は無効であるとされ
その結果木内氏の得票数が
石田氏を下回る形となり
木内氏の当選が無効となって
しまったのです。
会社の取引や労務の現場などでも
というあいまいな表現が
トラブルの原因になることは
珍しくありません。
特に
LINEやメッセージなどの
あいまいな表現がもとで
それが後々認識の違いを生み
結局トラブルや「裁判沙汰」にまで
発展することがあります。
だからこそ
大事な契約条件はあいまいにせず
きちんと契約書で定めておく
ことが大切です。
実は
「トラブル予防」というのは
将来争いになりそうな「あいまいさ」を
今のうちに潰しておくことに他なりません。
「まんじゅうや」「だんごさん」
の2票をめぐる今回の裁判は
そんなことを改めて考えさせて
くれるニュースでした。
そして
第2位の記事はコチラ
パワハラを恐れて仕事を任せない?「ホワハラ」もパワハラになるのか

パワハラを恐れるあまり
部下に仕事を任せない
厳しい指導をしない。
そんな「ホワイトすぎる職場」で起きる
「ホワハラ」が話題になっています。
これはなかなか難しい問題で
部下としても必要な指導を
受けられなかったり
仕事を任してもらえなければ
自己の成長の機会が奪われて
しまいます。
とはいえ
今の時代部下を積極的に
指導するのはリスクが高い
という気持ちもわかります。
ただ
そもそも
法律が禁止しているのは
「部下を指導すること」ではありません。
業務上必要な指導を
適切な方法で行うことは
会社にとって必要なことです。
そして
どこまでならやってよいのか
どこから先が危ないのか。
その「境界線」を知った上で
必要な判断を行うために法律があります。
そこで
社員に必要な仕事を任せ
必要なときにはきちんと指導する。
ただし
その目的や方法には十分に配慮する。
「何もしない」のではなく
「適切にやる」
難しいですが
今の時代は
その辺のバランスが求められて
いると言えますね。
そして
堂々第1位の記事はコチラです
社員が1300万円を水増し請求! 会社はすぐに「懲戒解雇」できるのか?

大手ゼネコンの竹中工務店の現場責任者が
大阪・関西万博の会場の工事をめぐり
工事費用を下請け業者に水増し請求
させたとの事件がありました。
この社員は
下請け業者を使って
万博工事代金として約1300万円を水増し
して竹中工務店に請求させたとのこと。
その水増し分は
その社員の自宅のリフォーム工事代金に
充てられたそうです。

この事件で
竹中工務店がこの現場責任者だった社員を
懲戒解雇したとの報道がありました。
そもそもこういったケースで
会社は社員を当然に解雇
できるのでしょうか?
日本では
社員の解雇は法律上
また裁判実務上でも厳しく
制限されています。
そして
ここは誤解している人も
少なくありませんが
社員が犯罪行為を行えば
当然に解雇できる
というものでもありません。
解雇には
という2つの要件が必要とされています。
たとえ社員による犯罪行為があっても
この2つの要件に照らして
解雇が有効かどうかは非常に
厳しく審査されます。
今回の竹中工務店のケースは
非常に悪質であり
被害金額も大きいので
結論的には解雇は有効であろうと
考えられます。
ただ
それはあくまでもケースバイケースであり
犯罪行為があったからといって
安易に社員を解雇するのは危険です。
その辺は
やはり慎重な判断が求められますね。
それでは
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。