「パワハラ防止法」
という法律によって、
中小企業も含めて、
会社にパワハラを防止する
対策が義務づけられています。
今回は、
会社が取り組むべき具体的な
パワハラ防止策について
お話しします。
(今日の「棒人間」 パワハラ防止法でパワハラを撃退??)
<毎日更新1032日目>
目次
社員の労働条件や職場環境
などをめぐる紛争の
相談件数が増加を
続けているようです。
少し古い資料ですが、
厚生労働省が発表した
調査によると、
令和2年度のいじめや
嫌がらせに関する相談の
件数は7万9190件もあった
そうです。
職場におけるいじめや
嫌がらせの増加に伴って、
うつ病などの精神疾患を
発症する人も出てきます。
こうした状況を受けて、
「労働施策総合推進法」、
通称「パワハラ防止法」が改正され、
中小企業も含めて、
会社に一定のパワハラ防止の
措置をとることが
義務づけられています。
その前提として、
そもそも法的な「パワハラ」とは、
いったい何を意味するのか?
このことに関連して、
昨日は下記のような
ブログを書きました。
この「パワハラ防止法」においては、
職場におけるパワーハラスメントとして、
下記の要件をあげています。
そして、
「パワハラ防止法」では、
会社側に、
パワハラを防止する
ための対策として、
次の4つの措置が
義務づけられています。
まず1つ目は、
事業主によるパワハラ防止の
社内方針の明確化と
周知・啓発です。
これは,
どのような行為が
パワハラにあたるのかを
職場で働く全員に
研修などで知らせ,
パワハラを禁じると
経営者が宣言することです。
さらに,
パワハラ行った社員は
厳正に対処すること。
そして,
その対処の内容を就業規則に
きちんと盛り込んで、
職場で守らなければ
ならないルールであると
すべての社員に周知徹底
することが求められて
います。
2つ目は、
苦情等に対する
相談体制の整備です。
これは、
パワハラの被害にあった
従業員が相談できる
相談窓口を設置して、
その事実を全社員に
周知徹底することが
求められます。
3つ目は、
被害を受けた労働者への
ケアや再発防止です。
これは、
パワハラが発覚したら
事実関係を速やかに
かつ正確に把握し、
被害者に配慮した措置
を講じることが
求められます。
そして4つ目は、
その他合わせて
構ずべき措置と
いうものです。
これは被害者や加害者の
プライバシー保護するために
必要な措置を講じ、
そのことを全従業員に
知らせることです。
さらに、
相談したことで、
その従業員が解雇などの
不利益な扱いを受けない
というルールを定めて、
すべての従業員に
周知徹底することが
求められます。
なお、このパワハラ防止法には、
いわゆる罰則規定は
ありません。
ただし、
厚生労働大臣が必要
と認めれば、
事業主に対して助言、
指導又は勧告をする
ことができるとされています。
そして,
事業主がこの勧告に
従わない場合には、
その事実を公表する可能性
があるとされています。
そして、
これらの「パワハラ防止法」が
定める会社のパワハラ防止策は、
大企業だけではなく、
中小企業にも
義務づけられています。
それでは、
パワハラ防止法の
義務化を受けて、
中小零細企業は
どのような対策を
とれば良いのでしょうか?
この点、
中小企業の中には、
人事部や人事担当者
などがいない会社も
少なくありません。
そのような会社では、
パワーハラスメントの
問題が発生したときに、
責任の所在があいまいに
なりがちです。
まずは、
パワハラ防止策の
義務化を受けて、
社内方針の明確化と
従業員への周知・啓発
などを行うことが必要
になります。
さらに、
就業規則にハラスメント防止
に関する規定をきちんと
盛り込んだり、
相談窓口を設置して、
社内で研修などを実施
することも必要になります。
もし、
パワハラ防止策の義務化は
わかっているけれども、
何をどうして良いのかわからない、
という経営者の方は、
ぜひ弁護士にご相談
ください。
この点、
上記のパワハラ防止策を
実施する上で、
こまめに弁護士に相談して
アドバイスをもらったり、
弁護士に対応を依頼
したりする上で便利なのが、
弁護士と顧問契約を
結ぶことです。
私の方では、
顧問先様企業の具体的な
パワハラ防止策の
お手伝いをしたり、
社内のパワハラ防止研修の
講師なども承っています。
昨日のブログでも
お話ししましたが、
社内のパワハラを放置していると、
直接の加害者だけではなく、
会社自体が訴えられて、
「裁判沙汰」になってしまう
おそれがあります。
社員との「裁判沙汰」を
避けるためにも、
社内のパワハラ防止対策には
きちんと取り組まれること、
もし難しければ、
弁護士などの専門家を
活用することを
お勧めします。
それでは、
また。
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中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。
中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。
【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。
中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。
私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。
また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。