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渋谷の弁護士吉田悌一郎

社員に秘密情報を持ち出されたのにまさかの敗訴?「営業秘密」の落とし穴

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会社の重要な秘密情報を社員に持ち出されたら

当然会社が勝てると思っていませんか?

 

 

しかし実際には

情報の管理方法によっては

「営業秘密」と認められず

 

 

損害賠償請求が認められない

ケースもありますので

注意が必要です。

 

 

 

(今日の「棒人間」 秘密情報を持ち出す??)

 

<毎日更新1898日目>

社員に売れ筋情報を流されたのに、まさかの敗訴?

 

ドライブレコーダーなど車載用品を

インターネットで販売するA社。

 

 

しかし

このA社にとって競合社となるB社が登場し

 

 

A社の売れ筋と同じ商品や類似品を

大手通販サイトで扱い始めました。

 

 

そのため

A社の顧客は徐々にこのB社に

奪われる形となっていきました。

 

 

その後

突然このA社を退職を申し出た

Xという社員がいました。

 

 

A社が調査を行ったところ

このXの妻が競合社であるB社の

代表を務めていることがわかりました。

 

 

そこで

A社は

 

 

Xが使用していた社用の

パソコンを専用ソフトで監視。

 

 

すると

Xによる不審な操作履歴が判明しました。

 

 

具体的には

XはA社の商品情報や業務マニュアルなどの

営業データをUSBメモリーに保存し

 

 

売れ筋に関するデータはダウンロード

して妻に送信していたそうです。

 

 

Xは

一部商品の仕入れ価格も調べ

 

 

B社における売価を妻に

指示したりもしていたとか。

 

 

 

A社は

Xを懲戒解雇した上

 

 

競業による逸失利益を1億6000万円と計算し

Xに対して損害賠償を求めて

裁判を起こしました。

 

 

ところが

判決は

A社のまさかの敗訴。

 

 

判決では

なんとXが妻に提供したこれらの情報は

 

 

保護されるべき「営業秘密」

ではないと判断したのです。

 

 

 

*この事案は、日本経済新聞「中小企業リーガル処方箋」より引用しました。

 

「営業秘密」の要件

 

ここで

少し法律的な論点を

整理しておきましょう。

 

 

不正競争防止法という法律で

不正な手段で会社などの

「営業秘密」を取得する行為や

 

 

その取得した「営業秘密」を

使用する行為を禁止しています。

 

 

そして

この場合は

「営業秘密」を侵害された会社は

 

 

侵害行為を行なった加害者に対して

損害賠償を請求できるとされています。

 

 

ただ

その場合

 

 

その情報が不正競争防止法でいうところの

「営業秘密」に当たる必要があります。

 

 

そして

同法の「営業秘密」に当たるためには

 

① 秘密として管理されていること(秘密管理性

 

② 事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であること(有用性

 

③ 公然と知られていないものであること(非公知性

の3つの要件を満たす必要があります。

 

 

このうち

よく問題となるのは

①の「秘密管理性」の要件です。

 

 

この要件は

その情報が社内でどのように扱われ

管理されていたかが問題となります。

 

 

例えば

その情報にきちんと

パスワードがかけられていて

 

 

特定の社員にのみアクセスの

権限を付与していた場合。

 

 

あるいは

紙のファイルなどであれば

「社外秘」などの表示をして

 

 

やはり特定の社員のみしか閲覧

できない状態になっていたかどうか

といったあたりが問われます。

 

 

ところが

冒頭の事案では

A社の社員は

 

 

IDとパスワードを入力すればデータ

保存先のシステムにログインでき

 

 

データファイルへのアクセス制限や

秘密情報との明示もなかったとのことです。

 

 

そこで

そもそも上記「①秘密管理性」の要件を

満たさないと判断されたわけです。

 

 

さらに

USBメモリーの保存データは

商品の説明写真や検品資料などで

 

 

判決は「公知もしくは容易に

製作できる」と指摘しました。

 

 

また

売れ筋のデータは通販サイト運営者が

出品者の要請で一律提供していたとのこと。

 

 

つまり

このケースでは上記「③非公知性」の

要件も満たさないと判断されたわけです。

 

 

 

 

 

 

「営業秘密」の漏えいトラブルを予防するには?

 

企業の秘密情報などは

その企業の売上や競争力に直結します。

 

 

こういった秘密情報が競合する

他社に持ち出されたりすれば

一般的に被害は大きくなります。

 

 

しかし

あくまで上記の「営業秘密」の

要件を満たさなければ

 

 

不正競争防止法による保護を

受けることができなくなってしまいます。

 

 

そこで

こういった「営業秘密」の漏えい

トラブルを予防するためには

 

 

どのようなことに気をつけたら

良いのでしょうか?

 

 

それは

上記で述べましたが

 

 

まず会社がきちんと「秘密情報」として

その情報を厳重に管理する態勢を作ること。

 

 

具体的には

たとえば

 

 

社内でその情報にアクセスできる権限を

持つ社員を特定の社員のみに

限定しておくことです。

 

 

あるいは

紙のファイルなどであれば

「社外秘」などの表示をした上で、

 

 

特定の社員のみしか閲覧

できない状態にしておくことです。

 

 

さらに

それに加えて

 

 

個々の社員から「秘密保持の誓約書」

を徴収していれば

 

 

上記の「秘密管理性」の要件を

強める方向に働きます。

 

 

その上で

やはり自社の社員への

研修・教育も欠かせないでしょう。

 

 

安易に社内の情報を外に流すことは

立派な違法行為なのだという自覚を

持ってもらう必要がありますね。

 

 

会社にとって非常に重要な秘密情報。

 

 

それにまつわるトラブルを

予防するためにも

 

 

社内できちんと態勢は

作っておきたいものです。

 

 

それでは

また。

 

 

 

 

 

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名前吉田 悌一郎
住まい東京都

Profile

中小零細企業の顧問契約をメインの仕事としています。

中小零細企業が法的トラブルに巻き込まれるのを未然に防止すること、 そして、 情報発信を通じて弁護士の敷居を下げ、中小零細企業にもっと弁護士を利用していただくことを使命として活動しています。

【私のミッション】
中小零細企業の味方であり、中小零細企業のトラブルを「裁判しないで解決すること」をミッションにしています。

中小零細企業のトラブルが、「裁判沙汰」にまで発展すると、経営者の方にかかる時間的・経済的負担が大きく、エネルギーを消耗します。

私は、中小零細企業のトラブルをできる限り未然に防止する、万が一トラブルになっても、それをできるだけ小さいうちに「解決」することで、経営者の方の余計な負担をなくし、本業にエネルギーを傾けていただきたいと考えています。

また、中小零細企業の「お困りごと」に関しては、法律問題という弁護士の職域を超えて、経営コンサルタント(キャッシュフローコーチ)として、経営相談や金融機関融資の支援などを通じて、日本経済を支える中小企業の「お困りごと」全般のお手伝いをすることにも力をいれています。

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